高校二年生の夏の頃毎年恒例の、花火大会が開催されるとの事を聞きつけた僕は、例の気になる子がいたので高橋さんをデートに誘ってみることにした。
と言ってもデートもしたこともない、付き合った人もいない僕はどうやって誘えばいいか分からなかったが正直迷っていた。なぜなら、同じクラスでも咳が遠いからだ。間違えた席であった。
席が遠すぎてしまって話しかける機会が無いのだ。廊下ですれ違ったときも目も合わせられずじまいだったがやっと夏にチャンスが訪れたそれは席替えだ。
席替えは月に何回かしかやってこないし、それがチャンスだった。高橋さんは、とにかく目が悪く目立ちたくないので前から三番目にいることが多い。俗に言う特別待遇だ。目の悪い人は前から三列目までを席替えで選べるというものだ。
あの優しい波多野先生が考えてくれた。
ちなみに波多野先生は、55歳にもなっても子供心を忘れず冗談ばっかり言うけどダメな時は叱ってくれるような良い先生だ。
1週間前の出来事であったが、僕が昼休みの時間に本を読んでいると何を呼んでるのーってわかりやすく口を動かして話してくれた。
いくら口元から読み取れとは言えど、小さい口の動きはあまり読み取れないからそれを分かっていたのか初めて話してくれた時もわかりやすく口を開けてくれた。とにかく優しくて、僕はこの学校の中で1番話しやすくて接してくれる人だなと思った。
話は戻るが、僕は絶対的にあの子の隣の席を死守しないといけない。だから裏の手を使ったのだ、あの子がここがいいですと言ったあと、その子の横の席になるという作戦だ。
これは、波多野先生が考えてくれた戦略だそうだ。
僕はその作戦を信用し信頼しどう転がるから分からなかったが前から3列目の窓際の席に着くことになった。しかも、あの子の真隣だ。めちゃくちゃ嬉しかった。
小声で先生最高っ、ありがとうっと万遍の笑みを見せてやった。こう見えて性格がずる賢い所があるのだ。まぁそれはきこえない代償とでも思っている。
まぁそんなこんなで、僕は高橋さんの名前が佳奈さんだと言うことがわかった。かなちゃんって気安く呼びたかったけど、かなさんはお淑やかでとても優しい一面があった。
主語がかなさんばかりになっているのは、言うまでもない大好きだからだ。でもこれは、君と僕とだけの秘密だよっ
さて話は戻るが、かなさんはとても優しくていつも小説を読んでいる。
久しぶりにとうかほぼ初めて声をかけた、こんにちは今何呼んでるの?
なぜ聞いたかは、ただ話したいという口実もあったがブックカバーがついていたのでなかなか中身が見えなかったからだ。
僕はブックカバーを外すタイプだがみんなはどうだろうか、僕みたいに俺はこれを読んでいるんだと誇張したい人もいれば、波多野先生みたいにマンガを読む人も居て、かなさんみたいに恥ずかしがり屋さんで秘密主義者の子もいる。
僕は色んな考え方があっていいと思いながら日頃過ごしている。スーパーポジティブなのだ。
話は飛んでしまったが気にしないで欲しい生粋の馬鹿なのだただの。
ちなみに友達はこれでも多い、親友と呼べる友達2人ほどいる。健人、拓真の2人だ。