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貴方の最期まで一緒にいるよ

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貴方の最期まで一緒にいるよ

4 - 君を殺した自分への罰 4

♥

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2023年12月22日

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創作


「そこ座って」そう言われた俺は白色に染っているソファーにすとんと座った。

「ねえ璃翔君、質問していい?」

「あ、どうぞ、」

「何処中?」

「蘭咲です」

「あー、あそこね、俺もそこの卒業生」

「あ、そうなんですか」

「うん、嬉しいでしょ?」

「何でそこ嬉しがらないといけないんですか」

「いや、俺と同じだから」

「嬉しくないですよ」

「うー、ショック」こんな他愛の無い話ばっか続く。本当にこの時間は必要なのだろうか。

「体重何kg?」「4月に測った時は47でした」「痩せてるね、ちゃんと食ってる?」

「そんなに食べさせてもらえなかったんで」「あー、まじか、あのババア」

母親の事を悪く言うのは俺にとってはどうでも良かった。「可哀想」なんて言われてたら

今度こそ殺してたかもしれない。でも、言わなかった柚汰は根は優しい奴なのだろう。

「もうすぐクリスマスだね」「そうですね」「楽しみ?」「クリスマスなんて何もしなかったんで」

「え、マジ?」「はい、クリスマスは朝からずっと母親は外出してました」「今年は俺と過ごそうね」

「え、あ、」「何、嫌なの?」この時の真顔が恐ろしかった。今にも俺を殺しそうな目。外は暗く、その光のせいでもっと恐ろしく見えてしまっていた。

「いや、別に…」「そっか、ならよかった」急に笑顔になる切り替えの速さも恐ろしい対象だった。こんな直ぐに表情を変える人間は生まれてから見た事が無かった。

「どんどん俺に懐いていくだろうね」「それはどうだか」「懐かなかったら直ぐ様殺すからね、怖くないよ、心中してやるから」何処が恐くないのだろうか、本人は言ってる側だから分からないと思うが、言われてる側は相当恐怖を感じる。そんな事を言われたことが無さそうな柚汰は笑顔でこっちを見つめてくる。俺がどんだけ怖がっているかを知らない様に。

「あ、あの、苗字なんて言うんですか」「黒瀬、黒瀬 柚汰」

「くろせ、」「聞いたことないでしょ、どう?かっこいい?」

「あ、まぁ、」「璃翔くんもなる?黒瀬」「え、いや、」「なりたいんだ〜、それはつまり、」

「俺と結婚したいって事でしょ?」「嫌です、絶対に無理ですやめて下さい」

「泣くよ俺」「勝手にして下さい」「マジで殺そうかな此奴」「あの本当に怖いんで、ちょっとそれ言うのやめ、」「そういう所もかわいいね」

俺が言う前にその言葉を口にした。此奴は男を好きになるのだろうか、俺は普通の男子中学生だ、そんな気はない。終わりそうな会話なのに柚汰は質問攻めをしていくだけだった。

「運動神経悪そうだね、50m何秒なの?」「8秒です」「遅いね、女子じゃん」「速い方です」「嘘つけ」「じゃあ、勉強は?勉強も出来ない?」「学年5位です」「へー、いいね」

この話は一体何時間掛かるのだろう。流石に俺でも飽きてきた位だった。人と話すのは大の苦手だっていうのに。やっぱり柚汰とは気が合わなさそうだった。

「お腹空いた?」最後の質問だった。柚汰は料理とか出来なさそうなイメージが俺の中では出来上がっていた。そう思いながらも「空きました」と、答える。

「了解、作るわ」「え、料理出来るんですか?」「当たり前じゃん」「そうなんですか、」「料理男子、かっこいいっしょ」「ま、まぁ、」「惚れた?」「惚れるわけが無いです」「泣くよ俺」さっきも聞いた。この巫山戯た言い方が俺の中では普通に面白かった。そこで俺が微笑んだ。その姿を見られていたのか、柚汰が頭を撫でてきた。「笑った顔、かわいい」「あっそ、」「いきなり態度変えるね、そっちの方が良い」

「…そ、」「学校でそんな感じなんだね、俺だけで良いのに」その発言はどう捉えたらいいのだろうか。俺のことが好きなのか、ただ単に冗談なのか、それは俺には分からなかった。




「ご飯出来たよ」

そう言われ、振り向いた時にふわっとスパゲティの匂いがした。とても美味しそうな香ばしい匂い。

早く食べたい、という気持ちが昇ってきた気がした。

「さ、温かいうちに食べて」

そう言われ、目の前に置かれたスパゲティをまじまじ見る。

その後に目の前のフォークを持つ。学校で食べたことがある為食べ方はある程度分かる。

フォークでスパゲティを巻き、口に頬張る。

「おいしい、」「でしょ?」

そう言った後、俺を見て微笑んできた。夕日の光で柚汰が輝いていた。それが今まで見た何よりも美しく見えた。







こんな楽しい日々が続くとは思っていない。











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