テラーノベル
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ー注意事項ー
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・獣人、体調不良、年齢操作を含みます。
◇◇◇
森のはずれに、小さな木の家がある。
朝になると煙突から白い煙が上がって、鳥が屋根に止まる。
静かだけど、ちゃんと人の気配がある家だった。
そこに住んでいるのは、フクロウの獣人ci、それからまだ幼い狼の獣人utと猫の獣人shpである。
血はつながっていないが、仲の良い家族だった。
「もー!ut!ちゃんと噛んで食べて!」
「噛んどるって!」
「3回じゃ足りない!!」
朝から、いつもの声が響く。
テーブルの上にはパンとスープ。
shpはきれいに食べているけど、utは急いで詰め込んでいる。
「だって今日走り込みあるんやで、朝の会の前に!絶対行きたい!」
「その前に喉詰まらせたら意味ないでしょ!」
ciは呆れた顔をしながら、utの背中を軽く叩いた。
フクロウの羽の混じった手は温かい。
「ほら、水飲んで」
「…ありがと」
utの狼耳が少し伏せる。
怒られてるわけじゃないと分かっている。
ciの声はどこか優しくて、少し照れるのだ。
shpがクスッと笑う。
「にいさんほんま子どもやね」
「はあ?お前だってこの前木から落ちたやろ。子どもや子ども!」
「あれは滑っただけやもん!」
「はいはい」
ciは2人のやり取りを見て、小さく笑った。
その顔は穏やかで、いつもと同じのはずだった。
でも最近、少しだけ違っていた。
時々、息を整えるように黙る時間が増えた。
夜、咳き込む音が聞こえることもある。
utもshpも気づいていた。
でもciは必ず大丈夫と言うから、それ以上聞き込むことはしなかった。
「ci、今日も森行くん?」
shpが聞く。
「うん。どうかした?」
「俺も行く」
utが立ち上がる。
「だめ。今日は2人とも街の学校でしょ」
2人は顔を見合わせた。
そう。
最近、街に行く機会が増えていた。
読み書きや計算、世の中のことを学ぶためだとciは言っていた。
なんとなく、ciが自分たちのことを避けているように感じる。
「別に家で教えてくれてもいいやん」
utが少し不満そうに言う。
ciは一瞬だけ言葉に詰まった。
「…うん。でもね」
静かに続ける。
「この先、外に出るんやから、外を知るのも大事なんだよ」
その声は優しい。
いつも通りのciの声である。
shpがそっと聞く。
「…この先って。ciは一緒に来おへんの、」
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「僕はええよ。森の方が落ち着くし」
本当は違うんだろうなと2人ともなんとなく思った。
でも、それ以上聞けなかった。
ciの柔らかい表情の裏を見てはいけないと感じた。
その日の夜。
utが水を飲みに起きたとき、居間の灯りがついていた。
「…ci?」
声をかけると、ciが机に座っていた。
紙を広げて、何か書いている。
でも様子が変だった。
背中が小さく見えた。
呼吸が少し荒いのか、息の音が細い。
「ど、どうしたん?」
ciは慌てて紙を閉じた。
「ut。起きてたの?」
「それ俺のセリフ」
utが近づくと、ciはほんの少しだけ後ろに引いた。
「体調悪いん?」
「大丈夫だよ」
掠れた声にutの狼耳がピンと立つ。
「大丈夫ちゃうやろ、」
ciは少し黙った。
それから、優しく笑う。
「ほんまに平気。優しいなあ、ut。ええ子」
その笑顔が、逆に不安だった。
utはそれ以上言えなかった。
だから、ただ一言だけ。
「……無理すんなよ」
「うん」
短い返事だった。
その夜ciはなかなか寝室に戻らなかった。
そして数日後。
朝、学校に行く準備をしていると突然言われた。
「2人とも、しばらく街に住もうか」
パンを持ったまま、utの手が止まる。
「…え?」
shpも固まった。
「学校の先生とも話しててね。街の方が学べること多いし」
「でも家は?空けたままでええの?」
「僕はここにいるよ」
「…え?じゃあなんで…まさか、俺たちだけ行くん!?」
utの声が強くなる。
ciは少しだけ目を伏せた。
「…君たちに、広い世界を見てほしい」
それは綺麗な理由だった。
でも、どこか無理に言っている感じがした。
「嫌や!!!」
utがはっきり言った。
「俺ここがいい!!!!」
「俺も」
shpも続く。
ciはしばらく黙っていた。
それから、すごく優しい声で言った。
「お願い」
その一言に、2人は何も言えなくなった。
フクロウの耳が少し下がっている。
ciがこんな顔をするのは、ほとんど見たことがなかった。
「…また帰ってこれる?」
shpが小さく聞く。
「うん」
ciは頷いた。
でも、その目は少し揺れていた。
「約束?」
utが聞く。
「約束」
ciは笑った。
その笑顔がすごく寂しそうだったのが、気にかかった。
数日後、2人は豚の獣人tnの家へ預けられることになった。
古くからの友人だと、ciから紹介された。
tnはciと同じくらい優しいけど、厳しいところもある大人だった。
「ciから頼まれたからには、ちゃんと面倒は見る」
そう言ってくれたけど、utもshpも落ち着かなかった。
駅での別れ際。
いつも、学校に行く時に見送られるのとは訳が違う。
「元気でね」
いつもなら抱きしめてくれるのに、その日は軽く頭を撫でただけだった。
「ciも元気で、」
shpの声が震える。
utは最後まで何も言えなかった。
tnにスーツケースを持ってもらって、電車に乗り込む。
shpは乗り込んでから酷く泣き始めた。
tnの足に顔を押し付けて、ciには見えないようにしている。
tnもそれを理解してあげたのか、その頭を撫でていた。
なんとなく、嗚呼別れるんだ、そう感じた。
shpが泣くなんてなかったから、そう感じたのだ。
ciの顔を忘れたくないと思った。
utは電話の窓に手をついて、ciを探した。
1つ曇った窓の向こうで、ciが壁に手をついて立っているのが見えた。
苦しそうに肩で息をしていた。
でも、utの視線に気づくとすぐ笑った。
手をフッと上げたから、utも小さく上げた。
「いってらっしゃい」
その笑顔が、ずっと頭から離れなかった。
◇◇◇
tnの家に来てから、最初の頃は落ち着かなかった。
ご飯の味も、部屋の匂いも、窓の景色も、何もかもが違った。
「…なあshp」
ベッドの上で小難しい本を読みながらutが言う。
「ci今なにしてると思う」
「…森行ってるんちゃうん」
「体調崩してへんよな、」
その言葉に、shpが少し黙った。
utは思い出していた。
別れの日、壁に手をついていたciの姿を。
「…身体、弱いもんな」
「うん。それに、最近変だったやんか」
utの狼耳が伏せる。
「俺らを街に出すのも急やったし。昔は一緒に街に行こうって…」
「…」
shpも同じ気持ちだった。
でも、tnの前では何も言えない。
tnは優しい。
ご飯もちゃんと作るし、学校の送り迎えもしてくれる。
でもやっぱり、ここは帰るべき場所じゃなかった。
ciのところに、家に帰りたいなんて言えなかった。
「…あの人がどういう考えで行動したか知らん。もう終わったんや、どうでもいい」
shpは少し冷たくなった。
utに対しても、ciに対してもである。
utはそれを心寂しく思うのだった。
それから月日が流れた。
一年、二年、三年。
utは背が伸びて、体つきも狼らしくしっかりしてきた。
薄いメガネをかけ、学校では女の子に囲まれている。
逆にshpは猫のしなやかさに加えて、落ち着いた雰囲気が出てきた。
ファーによく顔を埋めていて、たまに前を向く鋭い目つきに隠れファンがいるとかいないとか。
ともかく、2人は成長したのだ。
でも心のどこかにずっと穴があった。
最初の頃、月イチで届いていたciからの手紙は減っていった。
去年は3ヶ月に一度程度であり、今やぱったり来なくなった。
utもshpも、2年目の頃は何も言わなかった。
ciのことを口にすることすらなかったくらいである。
けれど、3年経ったある夜、utが晩御飯の時に突然口を開いた。
「俺、会いに行きたい」
「…えー、と。誰に?カノジョ?」
「ちゃう。ciに」
tnはたまごスープを吹き出し、目をまん丸にした。
shpはいつもの表情のままだが、utの方を向いていた。
「…俺、自立しようと思って考えないようにしてたけど。ciの手紙が来んのは、やっぱりおかしいと思う。」
「…自立か。自立はできたんか」
「まあ。もう卒業やし、自立するみたいなもんやろ…ってそうじゃないッ!!」
utはバンバンと机を叩いた。
コップの中の緑茶がユラユラと揺れる。
「tnさん、ciの事になるといつも話逸らすのなんでなん」
それを聞いたのは、shpであった。
フォークを握りしめながら、ジッとtnを見つめる。
「…あー、はは。なんや、話逸らしてないよ」
「逸らしとる。完全にutの話のメインはciやったのに、どうでもいいutの自立について聞くのは阿呆らしい」
「な、なんやッ!?どうでもいいって!!」
utがひんっと眉を下げる。
「ciと何を隠してるんすか」
tnは少し黙ったあと、言った。
「…流石やな。こんなに早く気づかれるとは」
「なに、え。tn、何か知っとるん」
「知ってるでしょ、話逸らす時点で。…まあ、たぶん、知っとる”何か”ってのは、よくないことなんやろ…」
shpの静かな口調に、utはゴクリと息を飲んだ。
しっぽが下がりそうになるのをなんとか堪えて、話に集中する。
「この話をしていいのかを、ciに問いたいところだが。俺は正直、お前らには話しとかないといけないとも思っている」
「なんでずっと黙ってたんすか」
「俺はciの親友やからな」
「な、なあッ…ciは大丈夫なんよな、?生きてるよな、」
「約束よりも大切なことって、あったんじゃないすか」
「…嗚呼、あったさ。」
tnはくしゃりと前髪を掴んだ。
いつも仕事の前に綺麗に整えているサラサラの前髪を乱雑に掴んだ。
「けど、ciがどんな顔で俺に頼んできたと思う?」
とてもじゃないけど、約束を容易に敗れるような空気ではなかった。
tnは悔しそうにそう言った。
「…お前たちが、この約束に気がつくぐらいciのことを想っているってciが知ることは大切だとも思うんや。」
スープの湯気が揺れた。
2人は顔を見合せた。
「それは…」
「帰ってもいいってことですか」
「嗚呼」
「けど。この約束のことは、ciがいいと言ってから全部話させてくれ。」
その声はいつものtnとは違う重さを感じた。
◇◇◇
久しぶりの森の道を歩いた。
毎日どれほど、帰るのを楽しみにしていたのか、家までの道のりは忘れていなかった。
正直、utは忘れているだろうと思って携帯で地図アプリまで開いていたのである。
道に立つと、その時の思い出が蘇ってきて、足が勝手に動くのだ。
昔と変わらない、懐かしい匂いと風の音。
でも、なんだか静かすぎるようにも感じた。
隣で歩くshpは昔と変わらず地面をジッと見ながら歩いていた。
なんだか、会話のない空間がこそばゆくて、utは咳払いをひとつする。
「なあ、ここってこんなに静かやったっけ」
shpに問うと、shpは目線だけチラとこちらに向けた。
「知らんけど」
shpが冷たく言い放ち、森の中がさらに静かになった。
「でも」
ここにいるのが苦しく感じて、携帯を見ようとした時だった。
shpはようやく顔を上げて言った。
「いつもあった足跡がない」
嫌な静けさだった。
背中がチリチリして、utは走り出した。
shpもそれを追いかけた。
家が見えてきた。
昔と変わらない、暖かい家が、
煙突の煙が出ていないことでさえ、不安を掻き立ててしまうのか。
utは玄関を慌てて叩いた。
追いついたshpが庭を眺める。
手入れされていないのか、雑草で生い茂っていた。
「…ッ、ci」
utが小さく呼ぶが、もちろん返事はない。
扉の鍵が開いてたりしないかと、ガチャガチャするが開いてるはずがない。
街へ出る前に、ciに鍵をちゃんと閉めるんだぞと言ったのだから当たり前だ。
殴れば壊れるだろうか。
強く拳を握りしめ、扉を睨む。
「…ふうっ「ut」 ぎャべふッ!!!??」
あと数秒遅かったら扉とぶつかってたであろう拳が空中で止まる。
shpがガサガサと庭から歩いてきて手招きをするので、utは息を落ち着かせながら着いて行った。
「鍵開いてないわ…そりゃそうよな、鍵閉めろって言ったのは、おれらやし…」
「…ciのこと分かってへんよ、それ」
「へ?」
shpは薄汚れた窓を触った。
ガガ、ガラガラと音が鳴る。
「あの人、窓の鍵のこと忘れとる」
靴を脱ぎ捨て、窓を潜るshpを見ながら、大きくため息を着いた。
だめだめじゃん。なにしてるのあの人。
でも、助かった。
これで中に入れる。ナイスあの人。
とかなんとか考えながら、utも靴を脱いで窓を潜った。
念の為、と窓の鍵を閉めてから部屋を見渡す。
中はちゃんと片付いている。
荒らされたような形跡がない限り、襲われたとかではない。
でも空気が冷たい。
家具はホコリ被っていて、家の中が曇っているように感じた。
「…ut、寝室」
「うん…」
寝室の扉を開けた瞬間、2人とも息を止めた。
ベッドに、ciがいた。
でも。
どこか小さかった。
羽に覆われて隠れた体は前よりずっと細く、その羽もボサボサに乱れている。
顔色が悪い、青白くなっている。
呼吸は、背中が時折動くことからしているんだろうが、浅いように見える。
時が止まったようだった。
「ci!!」
先に動き出したのはutだった。
ベットのそばに駆け寄れば、shpもすぐ着いてきた。
「…ci、聞こえる?」
反応はない。
バフッとベットを叩いたのはどっちだったか。
「…医者、呼んだ方がええんか、」
「いや、でも。だって、はなれたら」
目を離したら消えてしまいそうだから。
utは細くなった手を握った。
軽いく、冷たく、小さい。
ut達の知っている手ではなかった。
この手が、ひとりぼっちで何を感じたか。
「なんで言わなかった、」
震える声がぽつりと零れる。
「会いたかった」
じんわりと目の奥が熱くなった。
なんかこれじゃない感
みんなが見てくれそうだったら続き大急ぎで書きます💪🏻🙇🏻♀️
コメント
12件
遅くなったのほんとに悲しい泣泣泣 成長してもずっとciのことおもってるふたりが良すぎる😭 続きもみたいな
続きに需要しかないですよっー!楽しみにしてます!
ココア ちゃん ❗ 海翔 だよ ❗ 垢.変えたからふぉろーしてほしい ❗ 🙏🏻 あと 、 相変わらず ココア ちゃん の 小説 神すぎる ‼️