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「……日本?」
「あのですね、先輩。これには深〜い訳がありまして」
「もしかして、彼には言ってなかったのか? いい所だったのに、邪魔しないでくれ」
思いがけない邂逅が起こったのは、イタリアに忠告されてから三ヶ月が経った時だった。
会う機会がなかなか得られず、文通のみでのやり取りだったので、久しぶりの対面ではしゃぎ過ぎてしまったのかもしれない。
「ナチス〜日本居た? ……て、ああね。ちょっと向こう行こうか」
「ああ……わかった」
先輩は部屋から出る時、アメリカのことを睨み付けていた。禍根を残してしまいそうだ。仕事に持ち出す人ではないのが幸いだが、後が怖い。
「ええと……私も深くは知らないんだが、トラウマがあるらしいんだ」
「マジか。それは……謝った方がいいやつか。すまん」
アメリカは子供のようにしょんぼりしていた。普段は男気のあるやつなのにこういうのには弱いアメリカの性格は、彼に惚れた理由の一つでもある。
とにかく、今日は先輩に会っても悪い方にしか行かないだろう。まだマシな方向に行けばいいが…… 今出来るのは今後気をつけるのを肝に銘じるぐらいだ。
「……日本。今夜、お前の部屋に行ってもいいか? そこでさっきの続きをしよう」
「切り替えが早いな。でも、いいぞ。待ってる」
アメリカを入れた場合は先だけれども、枢軸国のみの会合は今月中には
あったはず。先輩のことだ、今回のことは必ず聞かれるだろう。答えるのが言い訳でも説明だとしても、何をどこまで話すかは考えたほうが良さそうだ。