テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
5 町工場(昼)
八道「俺に手を出してみろ。その時は、お前の会社ごと潰してやる」
晴馬「お前にそんな権力があるとは思えない」
八道「確かに、俺はそんなバカげた権力は持ってない。でもいいんだよ。俺の雇用主が持ってんだから! 教えてやる。俺ら地上げ屋を雇ってるのは――この社会で最上級の地位に君臨する、最強のフィクサーさまなんだよ!」
晴馬、表情を硬くする。
晴馬「フィクサー?」
八道「ああ。警察、司法関係、自衛隊、政治家まで! その御方の一言で、どんな人間も簡単に動かすことができる。表舞台にはほとんど出てこないから、お前のような一般人は存在すら知ることができないだろうがな!」
晴馬、無表情で八道を眺めている。
八道「それが俺たちの雇用主なんだよ! 俺を傷つければ、お前は一秒で消される! さあ、どうする!? 今この場で、フィクサーさまに電話をかけて、お前を抹殺してもらってもいいんだぞ!」
晴馬「……ふっ」
晴馬、こらえきれなくなったように鼻で笑う。
八道「……あ?」
晴馬「この社会で最強のフィクサーが雇用主、か」
晴馬、キメ顔で言う。
晴馬「貴様らみたいな人間、雇った覚えがないが」
八道「はぁ? 何言ってんだ?」
晴馬「そのフィクサーと話がしたい。今すぐ電話をかけろ」
八道「はっ、てめえみたいな無能が、あの御方と話せるわけないだろ!」
晴馬、一瞬で八道に接近し、腹部を殴る。
うずくまった八道を地面に引き倒し、顔面を足で踏みつける。
晴馬、八道の頬を地面に押しつけ、すごむ。
晴馬「電話をかけろ」
八道「ひっ……わ、わかった!」
八道、顔を踏みつけられたまま、スマホを操作。スピーカーフォンで通話をかける。通話、繋がる。
寺町(電話越し)「どうした?」
八道「フィクサーさま! すんません、変な奴に仕事を妨害されまして……。そいつがあなたさまと話したいと言っており……」
寺町(電話越し)「それで言いなりになって、電話をかけてきたのか? ちっ、バカかよ!俺の仕事増やすんじゃねえ!」
八道「すんません、すんません……!」
八道、縋るように言う。
八道「お願いします……! 調子乗ってるこいつを、最強のフィクサーさまのお力で破滅させてください……! お願いしますぅ……!」
寺町(電話越し)「仕方ねえな……おい、俺と話したいって言ってる身の程知らず! 聞こえてんだろ。俺は社会の全てを動かせるフィクサーだ」
晴馬、無表情で八道のスマホをにらんでいる。
寺町(電話越し)「本気を出せば、お前の人生なんて、0・1秒で破滅させられる。仕事を奪い、家族を奪い、二度とまともな生活を送れなくしてやる」
八道「さ、さすがフィクサーさま! 頼もしいです!」
寺町(電話越し)「どうする? 今、その場で全裸になって、地面に顔をこすりつけて謝れば、見逃してやってもいいぞ?」
晴馬、八道のスマホをにらんで、厳しい表情。
コメント
1件
第3話、読み終わりました。ここで来ましたか…! 八道の「フィクサー」発言はよくあるパターンかと思いきや、晴馬さんの「雇った覚えがないが」で一気に空気が変わりましたね。この引き際のキメ顔、めちゃくちゃ効いてます。地面に押さえつけながら「電話をかけろ」の短い台詞も、静かな圧がすごい。次が気になります🌷
1,160
眠狂四郎
1,483
207
4,285