💚「とにかく、照も一緒に翔太の家来て」
💙「俺んち?」
手を引かれるまま、阿部ちゃんの後に続く。照は訳がわからない、といった顔だけど、大人しくついてきている。
3人で、タクシーに乗り込み、俺の家へと向かった。
💙「俺の家に、俺がいるの?」
💚「うん」
やっぱり。
そして、その俺はたぶん……
💙「照、会いたい俺に会えるよ」
照はまだヘンな顔をしているけど、これは当事者じゃないときっと分からないだろう。
💛「後でちゃんと説明しろよ、阿部」
💚「すぐにわかるよ」
見慣れた朝出た、俺の家。
その家のソファに、『俺』が座っていた。
正確には、並行世界の俺だ。
玄関から入るなり、もう1人の俺は、照に抱きついた。
💙「ひかるっ!!!」
💛「翔太?」
💙「阿部ちゃん、どうしてここに?」
💚「そう。急いで戻らないと。こっちの翔太は送り届けたから、後は俺たちが戻るだけだ」
💙「あの穴が、どっかにあるんだね…?」
俺は全ての元凶である、あの忌まわしい穴のことを思い出していた。
あれを潜り抜ければ、帰れる。きっと。
💚「行こう、翔太。俺たちの世界へ帰るんだ」
ひたすら頼もしい味方を得て、俺は阿部ちゃんと走り出した。
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