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第30話「激戦の果てに」
🚀 シーン1:ガーディアンの本気
ゼインとナヴィスの猛攻を受け、ヴェール・バインドの精鋭**“ガーディアン”**は瓦礫の中からゆっくりと立ち上がった。
彼の強化スーツが赤く光を帯び、まるで新たな生命を宿したかのように脈打つ。
「はは……いいぜ、ここからが本番だ」
男は口元を歪ませながら、ナイフを握り直した。
ゼインはその様子を見て、心の中で警戒する。
——こいつ、まだ動けるのか?
ナヴィスが小さく舌打ちをした。
「ヤベェな、これ……スーツがフラクタルを取り込んで、自己強化してやがる」
「要するに、パワーアップってことか……?」
ゼインが拳を握りしめると、ガーディアンがニヤリと笑った。
「さぁ、今度は俺のターンだ」
次の瞬間——
——ゼインの視界から男の姿が消えた。
🚀 シーン2:絶望的な速さ
「——ッ!!」
ゼインは本能的に飛びのいたが、次の瞬間、鋭い痛みが腕を走った。
「ぐっ……!!」
黒いジャケットの袖が裂け、血が滲む。
——ヤツの速度が倍以上になっている。
ナヴィスもすでに動いていたが、ガーディアンのスピードに追いつけない。
「おいおい、こんなもんか?」
男が嘲笑しながら、一瞬でゼインの懐に飛び込む。
ドガァッ!!!
ゼインの体が吹き飛び、地面に激突する。
「ぐ……っ!」
肺の空気が一瞬で押し出され、呼吸が乱れる。
——ヤバい、まともにやり合えば殺される。
🚀 シーン3:ジェイコブのフラクタル
ゼインは朦朧とした意識の中で思い出した。
——そういや、ジェイコブから貰ったフラクタルがあったな。
彼が言っていた。
「これ、お前の戦闘スタイルなら使えるぜ」
ゼインは拳を握る。
「……試してみるか」
《フェーズアウト》発動——!
ゼインの体が、一瞬だけ”透明”になった。
——次の瞬間、ガーディアンのナイフがゼインの首元をかすめる。
しかし——
「な……!?」
ナイフはゼインの体をすり抜け、まるで幻に斬りかかったように空を切った。
「……お前の攻撃、もう効かねぇよ」
ゼインが不敵に笑う。
🚀 シーン4:逆転の狼煙
「チッ……フラクタルか……!!」
ガーディアンは舌打ちするが、ゼインはすでに動いていた。
「ナヴィス! いくぞ!!」
「——おう!!」
ナヴィスが**《フォールトシフト》**で瞬時に移動し、ガーディアンの背後を取る。
「……くらいやがれ!!」
ゼインの拳がガーディアンの顔面に炸裂する。
ドガァッ!!!!
ガーディアンの体が大きく吹き飛び、地面に転がる。
「……これで終わりだ」
ゼインが最後の一撃を打ち込もうとしたその時——
「……やれやれ」
男が、倒れたまま笑った。
「ヴェール・バインドが、これで終わりだと思うなよ……」
その言葉と共に、彼の体が赤く光り出す。
「……なっ!?」
ナヴィスが驚愕する。
——自己爆発型のフラクタル!?
ゼインは歯を食いしばり、ナヴィスの腕を引っ張る。
「逃げるぞ!!」
——次の瞬間、爆風が戦場を包み込んだ。