第31話「戦場の余波」
🚀 シーン1:崩壊する戦場
爆風が辺り一面を飲み込み、夜の闇を赤く染め上げた。
瓦礫が吹き飛び、金属の破片が空を舞う。
ゼインは瞬時に《フェーズアウト》を発動し、爆風をすり抜けるように回避した。
だが、その衝撃波の余波は強烈で、足元の瓦礫が崩れ、バランスを崩しそうになる。
「クソッ……ナヴィス!」
ゼインは歯を食いしばりながら、瓦礫の中に目を向けた。
——ナヴィスの姿が見えない。
「……生きてるぜ、安心しな」
次の瞬間、崩れたコンクリートの下からナヴィスが飛び出してきた。
彼の黒いジャケットは砂塵まみれになっていたが、傷は浅いようだ。
「ったく……派手にやってくれたな、あいつ」
ナヴィスは腕を振り、肩に付いた瓦礫の破片を払い落とす。
「……いや、問題はまだ終わってない」
ゼインが視線を前方に向けると、そこには——
ヴェール・バインドの強化兵が立っていた。
爆発の中心にいたはずのガーディアンが、立ち上がり、ゆっくりと歩み寄る。
「……まだ、終わらせるつもりはない」
彼の強化スーツは所々焦げているものの、生命力は健在だった。
「しぶといな……」
ゼインが拳を握り、構える。
「なら、もう一度ぶっ飛ばすまでだ!」
🚀 シーン2:極限のバトル
——戦闘再開!
ゼインが《オーバーライド》を発動すると同時に、ガーディアンが地面を蹴る。
——瞬間加速!
ガーディアンのスーツが赤く光り、音速に近い勢いでゼインの眼前に迫る。
「チッ……!」
ゼインはギリギリで横に跳ぶが、ガーディアンの拳が空間を切り裂き、衝撃波がゼインを吹き飛ばした。
「ぐっ……!」
ゼインが地面を転がる。
——ヤバい、このスピードはさっきより上がってる。
「ゼイン、こっちだ!」
ナヴィスが《フォールトシフト》を発動し、ゼインの腕を掴んで瞬間移動させる。
「……助かった」
「礼はあとでいい。まずはあいつを止めないと」
ナヴィスはニヤリと笑いながら、ゼインに視線を向けた。
「そろそろ“切り札”使ってみたらどうだ?」
「……ああ、そうだな」
ゼインはポケットからライフカードを取り出し、静かに呟いた。
「——ジェイコブのフラクタル、試させてもらうぜ」
🚀 シーン3:ジェイコブの“ズルいフラクタル”
ゼインの手のひらが青く光る。
その瞬間、彼の体がふっと宙に溶け込むように消える。
「……どこだ?」
ガーディアンが警戒するが、次の瞬間——
ゼインが突然、彼の背後から現れた。
「ここだよ」
ゼインが低く呟きながら、拳を突き出す。
《フェーズアウト》発動——物理攻撃完全無効化!
「なっ……!?」
ガーディアンが驚く間もなく、ゼインの拳が直接スーツのエネルギーコアを打ち抜いた。
ドガァッ!!!!
ガーディアンのスーツが異常を起こし、赤い光が急速に弱まる。
「クソッ……これは……」
ガーディアンが膝をつく。
ゼインはゆっくりと息を吐いた。
「……これで終わりだ」
——ゼインの一撃で、ヴェール・バインドのガーディアンは沈んだ。
🚀 シーン4:戦いの終焉
「……ったく、相変わらず無茶しやがるな」
ナヴィスが肩をすくめながら、ゼインを見た。
「まぁな……でも、これでようやく一息つける」
ゼインは拳を開き、崩れた戦場を見渡した。
ナヴィスはポケットから小さな通信端末を取り出し、すずかAIにアクセスする。
『戦闘終了。ヴェール・バインドの拠点は無力化完了』
すずかAIの音声が静かに響く。
「……次はどうする?」
ゼインは空を見上げながら、ポケットの中のライフカードを指で弾いた。
「……ひとまず、休憩だな」
ナヴィスがニヤリと笑う。
「お前が“休憩”なんて言うの、珍しいな」
ゼインは苦笑いしながら、ポケットからタバレットを取り出す。
——『フラプロ』の位置データが表示されていた。
「……次は、技術を磨く時間だ」
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