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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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短いです、ごめんなさい。


なかなか内容が進みません……。


自分でもびっくりなんですが、3話くらいで書こうと思ってたところまでまだたどり着いていません。


佐野さんにはもうちょっとがんばってもらいたいですね。















「じんとーっ!」



遠くに愛しい背中を見つけて、反射的に声をかける。


いつものはにかむような笑顔を思い浮かべながら駆け寄ると、振り返ったその表情は想像とは程遠いものだった。


焦点の合わない視線に引き攣った口角、そして縮こまった肩。


恐怖を感じていることは確実だった。



「ど…したの、じんとくん、?」



なにか嫌な予感がしながらも、無言で向き合う気まずさには勝てず、しょうがなしに尋ねた。


目も合わず、逃げたいような沈黙のその後、漸く仁人が言葉を零す。



「………ごめ、おれ、仲良くなる、って、そういう意味だと思ってなくて……」


「っえ、」



なぜ。


なぜ仁人が、もう二度と過ちを犯さないよう心の奥底に仕舞い込んだはずの気持ちを知っているのか。


あんな穢らわしい気持ちを仁人に知られたら、軽蔑されたら。


最悪の事態が現実になってしまった。


やっと焦点の合った仁人の視線に力はないが、それでも射殺いころされてしまいそうなほど冷徹なものだった。


視界が真っ黒になる。


もう、友だちですらいれないのかも。


頭が締め付けられるように痛い。


息ができない。


苦しい。


浅い呼吸を何度繰り返しても、指先が震えて、上手く酸素を取り込めていないのがわかる。


そのとき───。









──────────────────










「っはぁ……!」



気がつくと、ベッドの中だった。


どうやってここまで帰ってきた?


………いや、ちがう。


ぐっしょりとかいた汗やままならない呼吸が、さっきのは悪い夢だったと示していた。


目覚まし時計を確認すると、時刻は午前3時。


まだ起床には早すぎる。


あんな夢、早く忘れてしまいたい。


そう思ってアラームが鳴るまで寝直そうとしても、頭にはあの冷たい視線がこべりついて離れない。


余裕のない心は忘れたいはずの夢を思い出し、したくもない思考が頭を巡る。


もし、万が一、本当に仁人にこの気持ちを知られたら、ああいう反応をするのが当然だ。


男同士で、友だちになりたいなんて言って近寄って、実は一目惚れでしたなんて。


そんなん、騙したようなものじゃないか。


それに、もとは純潔な恋心だったはずなのに、穢い感情を抱えてしまったいまはもう合わせる顔がない。


日和らずに最初から告白しておけばよかった。


自分の想いに自信を持てなかったせいだ。


行動しているときは突っ走って気づかなかったけれど、いくつも選択を間違えてしまったんだろう。


自分が引き起こした結果を突きつけられる。


やっぱり、仁人とは距離をおこう。


俺の下らない茶番に付き合わせていられないし、彼の人生の汚点にもなりたくない。


彼には俺なんかよりもっと相応しい人がいる。


そう信じるしかなかった。










────────────────────










「でさ、じんちゃん。最近どうよ」


「え、なにが」



練習の合間に突然問われたが、真意がわからずそう答えるしかない。



「とぼけんなって。いい感じだったじゃん、ヨシダサンと」



ああ、その話。


あの夢を見た日から、もう少しで一週間が経つ。


その間、連絡を取ったり会ったりはしていない。


自分の本心と向き合うにはどうも気が引けて、そんな半端な気持ちで話すべきではないと思ったからだ。


同じ学校で過ごしているというのに、すれ違うことすら全くない。


自分も、そしてたぶん仁人も、移動以外では教室から出ないのだから当然かもしれないが。


練習中に吹部の音が聞こえてきても、頭に浮かんだその顔をかき消すように頭を振ることしかできなかった。


あの日から、俺は逃げ続けている。


あの夢をトラウマのように思い出しては、もう仁人と関わるのは辞めるべきだと自分に言い聞かせる。


意気地のない自衛が仁人のためでもあるかのように。



「あぁ、まあ…ね」


「……なに、フラれたの?」



そんなんじゃない。そんなところまで進んでない。


でも最初にあんな豪語していた手前、事実を自ら話すのも恥ずかしかった。



「フラれたわけではない……けど」


「けど?、けど、なに」



柔太朗は、表情変化が小さいなりにも俺に見せたことのない怒りを顕にした。


その顔に少し怯んで、言葉が出ない。



「……まっ、いいや。はやちゃんのことだし口出ししないけどさ……でも、いまのはやちゃんダサいよ」



仁人のこととなるとこんなに気にしいで、自分らしくない。


自分でもわかりきっていたのに、改めて他人の目から言われるとダメージもある。


呆れたように離れていく背中を眺めることしかできずにいると、すぐに集合がかかった。














サッカー部のエースと吹部の姫

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コメント

1

ユーザー

うおおおおぉ!続きありがとうございます😭今回もほんとに最高です😭そしてがんばれ佐野さん!!

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