テラーノベル
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誰にも見られないところで
静かな場所だった。
音も、人の気配もない。
さっきまで頭の中を埋めていたものが、少しずつ遠のいていく。
その代わりに、体だけが現実に戻ってくる。
「……っ」
込み上げる。
抑えようとしても、間に合わない。
誰もいないのを確認していたはずなのに、余計に逃げ場がない。
そのまま、吐いてしまう。
⸻
しばらくして。
呼吸だけが残る。
喉の奥が痛い。
でも、音はもうない。
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「👁️🗨️。」
声。
Ი𐑼はいつも通りそこにいる。
表情は一切変わらない。
驚きも、否定もない。
ただ事実だけを見る目。
「動くな。」
短く言う。
責める声ではない。
⸻
「今の状態を確認する。」
一歩近づく。
距離は詰めるが、圧はかけない。
「立てるか。」
「……はい。」
声はかすれている。
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「座れ。」
「水を飲め。」
「口をゆすげ。」
淡々と指示が続く。
それは叱責ではなく、戻すための手順みたいなものだった。
⸻
👁️🗨️はゆっくり従う。
手がまだ少し震えている。
でも、言われたことだけを一つずつやる。
⸻
Ი𐑼はその間も表情を変えない。
ただ見ている。
そして短く言う。
「限界が先に出ただけだ。」
「失敗ではない。」
⸻
👁️🗨️の呼吸が少しだけ落ち着く。
「……また、迷惑かけた……」
小さな声。
⸻
「禁止だ。」
即答。
「それは評価ではない。」
「事実だ。」
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一拍。
「今は休め。」
「考えるな。」
「戻るだけでいい。」
⸻
静けさが戻る。
でもそれはさっきまでの“崩れる静けさ”じゃない。
少しだけ現実に繋がった静けさだった。
コメント
1件
うわ……この回、すごく重かったけど、すごく丁寧に書かれてるなって思った。吐いちゃうシーン、すごくリアルで胸がぎゅっとなった。でもその後のᲘ𐑼の対応が、責めないでただ戻すための手順として淡々と指示するところが、逆にすごく優しく感じた。「失敗ではない」って言葉、めちゃくちゃ刺さった。この2人の関係性、静かだけど深い信頼があるんだなって伝わってきたよ。かほさん、ありがとう。
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