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※BL要素があります
誤字脱字がある恐れがありますので見つけ次第コメントしていただけると助かります
本人様及び本編のストーリーにはなんの関係もございません
ヤンデレの表現があります
とぴれだです
「うん、綺麗。いつもの先生も素敵ですけどこれで完璧です」
そう言ってピンク髪の彼は満足気に笑った
「ずっと好きだったんですよ。先生のこと、けど気づいてくれなくて悲しかったんです」
「ですけど!そんなことも恋愛してる時は愛を育む期間愛を確かめる期間なんて言いますからね!きっと俺に必要だったんだと思います!」
「こうやって行動して一緒になれたそれだけで俺は幸せです」
少し幼げに笑う彼を見て俺はどう言えばいい?
それは突然の事だった
彼に告白をされたんだ
ずっと好きだったから付き合って欲しい
なんて単調の言葉を顔を紅潮させて言ってきた
最初はなんかの罰ゲームとか彼特有の冗談だと思っていた
だけどその顔が本気だと言いたげな目をしていたから察してしまった
こいつは本当に俺と付き合いたいんだと
正直俺はトピオを、というか男をそんな目では見れない
そのことを素直に伝えた
伝えたつもりだった
それで諦めてくれると思った
そしたら彼は銃をとしだして俺の足を撃った
動揺している俺を担いで彼はまた満足気に笑った
「俺が綺麗にしてあげますから」
その言葉を最後に俺は気を失った
そして、次起きた時にはもうこの部屋にいて何日も何日も体をいたぶられ足を切られ首を絞められ自分で動くのが困難になるほどボロボロになっていた
「うん、綺麗、綺麗ですよ」
いつも俺を傷つけたあとは本当に心の底から嬉しそうに笑う
大型を成功したあとや仲間とバカしてる時には見せない笑顔
俺を傷つけた時にだけ見える笑顔
そんな笑顔を見る度にいつからか俺は恐怖を抱いてしまった
逃げたい、怖い、痛い、傷つきたくない
みんなに会いたい
「何考えてるんですか?」
ふと彼の顔を見るとさっきとは違い怒りに満ち溢れていた
「いや、何でも」
「教えてください、話してください、なんで俺に教えてくれないんですか?いつもいつもケイン先輩や刃弐先輩ばっかり」
「あなたの目に俺は映ってますか?」
「どう見えてますか?」
「いい加減後輩と思うのはやめてください」
つらつらと言葉を並べられても、もうずっと前から頭は回っていなかった
ここに光は当たってないご飯だってろくに食べてない
毎日血を流してて貧血でクラクラする
頭が回るわけがなかった
だからどうしたらいいか分からないんだ
「ごめん、ごめん」
ごめん
そんな言葉ばっかりしか出てこない
「いいですよ。俺を見てくれれば」
「トピオを見ていたら俺はここから出られる?」
「どうですかね」
「トピオを見ていたら俺は傷つくことは無い?」
「分かりません」
「トピオ以外をみたらどうなるの?」
「教えません」
「そっか」
こんな簡単な応答で何も保証されていないことを知った
なら、信じるもクソもないじゃん
「けど先生考えてみてくださいよ」
「え?」
「もうみんな先生のことなんて忘れてるんですよ」
「は」
その言葉に気が動転しそうになる
そんなわけが無い
忘れられてるわけが無い
あんな仲間思いの奴らが仲間を忘れるわけが
「だって、芹ちゃんだって起きて来なかったから起きてこないのが普通ってなったじゃないですか」
確かにそうだ
だけど
「先生今誘拐されて何日たったと思います?」
「3ヶ月とか、?」
「1年です」
「もう、みんなヘリ上手くなって連携も良くなりましたよ。先生を覚えている人より新しく入った人の方が多いです」
「特に新しく入った人とかすごいんですよ!ヘリを落とすことも情報取りも1人でできる!完璧なんです!」
「それにみんなそれに慣れてしまって新しいヘリ乗りは必要としてないんです」
必要としてない、のか
俺は誰からも
868のためにここまで来たのに必要とされてないなら俺は生きる意味が無い、よな
どうしようかな
俺はこれから
どうやって
「先生好きです」
トピオが抱きついて耳元でそう呟いた
「大好きです。ずうっと前から」
「初めて会った時からこうなる運命だったんです」
「俺は先生がいないと生きていけません。先生が居ないと辛いんです。苦しいんです」
「先生がいないと俺死んじゃいます」
何を言ってるんだ
お前には俺が居なくてもいいじゃん
「トピオには仲間がいるよ」
俺と違って
忘れられた俺と違って
「今の868は息苦しいです…俺毎回失敗しちゃってみんな大丈夫って言ってくれるんですけど、やっぱり、」
「俺が居ない方が上手くいくんじゃないかって」
抱きつきながら泣く彼を見てどこかその幼さが可愛いと思えてしまった
「俺も、辛い」
「俺、どうしたらいいのかな?トピオ」
分からない
「先生は俺を必要としてくれますか?」
「俺の全てを受け止めて愛してくれますか?」
愛せる、かな
けど俺を必要としてくれるのはこいつだけで俺にはこの子以外誰もいない
もう無理なんだ
「愛せるよ」
「良かった」
そう言って彼は俺を首に優しく手を置き
締める
呼吸が出来なくなり酸素が頭に回らなくなる
元から回らなかった頭が使い物にならなくなるのを感じる
けどいつも感じていた苦しみなんかじゃなくてこれもひとつの快楽と変わっていく
「先生愛してます」
そう言って口付けをしてくる彼に後ろに手を回し抱きつく
これも愛情表現なんだよな
そうだよね?
どんどん苦しくなって限界が近づいた時手を離される
今まで足りなかったものを求めて大きく息を吸う
「可愛い」
「先生今のとっても可愛いです。とっても綺麗です」
「俺の、俺だけの先生どこにも行きませんよね?」
そんなの当然だ
「俺はトピオのだよ」
「そうですよね!」
嬉しそうに俺の頭を撫でる
その動作が少しくすぐったい
「先生愛してます」
「俺も愛してる」
今度は俺から彼に口付けを交わす
彼は驚いた顔をしたけど優しく微笑んで受け止めてくれた
優しい、なぁ
とっても俺は幸せだ
ーーーー
1年なんて過ぎてるはずないのになぁ
先生がいなくなったのはたったの2ヶ月ですよ
日付感覚なんてとうの昔に消えちゃったんですね
俺のこんな嘘を真に受ける程頭が回ってないんですね
本当は全部嘘なんです
大型はあんまり失敗してないしケイン先輩や刃弐先輩はヘリ乗りが居なくてとっても困ってるんです
とっても必要とされてるんですよ?
そんなことを言おうとしても先生は俺とのキスに夢中で気づかないですけどね
口を離そうとする先生に腰を掴み離れないようにする
また限界が近づいたのか目に光がなく焦点も合わない
その代わりに俺はこの人に堕ちましたと言いたげな熱が籠った目が俺を見つめてくる
口を離すと酸欠だったのか必死に涙目になりながら呼吸をする彼を見て興奮してしまった
顔はトロトロで泣きながら苦しみながらも快楽に溺れている彼はとっても愛らしく可愛い
綺麗だった
「トピオ?どうしたの?」
先生は寂しそうに俺を見つめる
何も言わなくなった俺が心配なのかそう話しかけてくる
「トピオトピオ」
どこか小さい子みたいに見えてしまうのはきっと何も考えられなくなってしまったからだろう
さっき首を絞めたからそれがトドメだったかな
毎日毎日首を絞めて血を出させて日光を浴びさせない
それだけで人は独りよがりの考え方になってしまう
人は何も考えられなくなってしまう
どんなに鋼の精神を持っていても
案外簡単だったなぁ
「トピオ、?」
「可愛いなぁ…」
自由に動くことすらもできない、キスをする時も身長が足りなくて背伸びをしてだけどバランスが取れなくてグラグラする
何も出来なくなってしまって俺を頼ることしか出来なくなった彼が愛おしくて仕方ないんだ
「もう誰にも見られないでくださいね?俺が作ったもの以外食べないでくださいね?連絡先を全部消してください」
無茶だとわかっている
だけど先生は言葉を理解していないようで直ぐにわかったと言ってくれた
それでいいよ
今は気づかないでください
俺が異常だって
気づいた時にはもう俺から離れられない体にしてますから
「ありがとうございます」
そうだ
お礼と言わんばかりに俺は彼の肩に噛み付いた
一瞬彼から痛そうな声が聞こえたがその声すらも愛おしい
彼の肩から離れるとそこには紅く咲かせた口付けの後があった
「綺麗ですね」
「俺、きれぃ?」
「はいとっても」
「そっか」
満更でもなさそうに彼は笑う
あぁもっともっとぐちゃぐちゃに壊れるまで2人で堕ちる所まで堕ちましょうね
「もっと堕ちてくださいね」
ずうっと一緒ですよ
end