テラーノベル
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🍷「あ、」
夕食後2人で寛いでいたら、何かを思い出したらしい奏斗が立ち上がりリビングを出ていった。
数分もしないうちに戻ってくると、私の隣へ座りなおす。
🍷「手だしてー」
🌸「?はい、」
広げた私の手の上へ乗せられたのは無地の茶色い紙袋。
開けてみて、と視線で促されるまま中を確認すると、ふわふわの白いぬいぐるみが入っていた。
🌸「あ、うさぎ〜!」
🍷「ね〜かわいくない?」
🌸「可愛い…」
私の手のひらサイズの小さなうさぎのぬいぐるみ。
耳の根本には黄色い花が付いている。
🌸「奏斗だ」
🍷「ん?なに?」
🌸「いや違う、このうさぎが奏斗カラーだなって」
🍷「言われてみればそうじゃん、俺だ」
🌸「あえてのこの色じゃないんですか?俺可愛いでしょ的な」
🍷「違うしwwwでも俺可愛いでしょ?」
🌸「可愛いね〜、自分が可愛いって自覚ある推し最高に可愛いね。でも無意識下のほうが自然で可愛いと思う」
🍷「いやそこまでの反応は望んでなかったんだけど」
🌸「え、これどうしたの?」
🍷「たまたま目があったから。好きでしょ?こーゆーの」
私が好きそうだから買ってきたのだと。
確かに私はぬいぐるみが大好きで沢山持っている。
場所問題があるから厳選してはいるけれど。
🍷「レジ持ってくのちょっと恥ずかしかった…」
思い出し恥なのか奏斗は両手で顔を覆っている。
🌸「…ありがと」
思いがけないプレゼントに顔が緩んでしまった。
これひとつだけを買っている奏斗の姿を想像したら、可愛すぎてにやけが止まらない。
🍷「ちょっと、にやけすぎなんだけど」
🌸「だって〜〜〜!わざわざこれを私の為に買ってきてくれるとか可愛いんだけど…!」
🍷「あぁもううるさいうるさい!」
背もたれにしていたソファの上に、拗ねたように両手を投げ出して天井を仰ぐ。
ごめん、でも無理だ。可愛すぎる。
🌸「はぁぁぁぁぁ好き。私の奏斗が可愛い……」
🍷「どうせならかっこいいって言ってよ…」
🌸「奏斗はいつだってかっこいいけど今は可愛い」
🍷「言ってるけど言ってない…」
手のひらの上のぬいぐるみをそっと包み込み、私は奏斗にもたれ掛かった。
🌸「毎日愛でるね、奏斗カラーのうさぎ」
🍷「…うん、一緒に俺も愛でて」
この日以降、たまに、たまーに、
奏斗は小さいぬいぐるみを私の元へ運んでくる。
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買う時恥ずかしがってほしいんだけど、
奏斗だし平気そうな気もするが…
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