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生徒会の選挙演説の日。
俺はマイクの前に立った。
手のひらは汗でびしょびしょだった。心臓もうるさいくらい暴れてた。
でも、前に進もうと決めた。
「……ぼくは、いままで“目立たないこと”を選んできました。
誰にも注目されず、何も言われないことが、“正解”だと思ってたからです」
教室が静まり返る。
みんなの目が、俺に集中してる。
でも、逃げない。
「でも、それって結局、“何も変えられない”ってことだった。
僕が“何も言わない”ことで、何かを諦めた人がいるかもしれない。
だから、これからは……ちゃんと声を出します」
誰かのために、じゃなくて。
自分のために、自分の声で立つ。
それが、今の俺の“祈り”だった。