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チュンチュンと 鳥のさえずりが聞こえる。
「ん〜…」
部屋の中に光が差し込む朝、 起き上がって背伸びをする。
見慣れた光景…この光景を見るのは何回目だろうか。
綺麗な白い壁に、床には赤いカーペットが敷かれ、大きいベットと姿見、それと何着かのドレスがハンガーにかけてあるだけなのに、やたら大きい部屋。外にはバルコニーまで付いている。
「はぁ〜。なんで私こんな豪華な屋敷に住んでるんだろう」
屋敷中はすごく広くて部屋も多いから覚えるのも一苦労。
「私が貴族の令嬢とか向いてないんだよ〜。あ〜本当、貴族やめたい…」
そう、私は貴族。
公爵家の長女、ミファルト・バル・ルーニア。
公爵家は中級貴族に分類され、その中でも最も高い。
はぁ…この日常を変える大きな出来事でも起きればな〜
まあそんな事は本の中だけに過ぎない。
そう思いながら姿見の前に立つ。
そこには、サラサラの銀髪に綺麗な水色の瞳の、16歳の私が写っていた。
「あ〜いつものように醜い私♡」
外見は笑顔だが心の中はめっちゃ愚痴を吐いている。
「お嬢様。おはようございます」
後ろから冷静とも言える声がして振り返ると、メイドのリリナが立っていた。
「おはようリリナ」
笑顔で私も対抗する。何と戦ってるのか分かんないけど。
綺麗な茶色のサラサラ髪ね〜今日もリリナは一段と可愛いな〜
「お嬢様も可愛いですよ」
いつも通り私の心の中もお見通しね。
リリナは私の専属メイドで強いて言うなら『相棒』。
私と同い年で小さい頃から一緒にいる、いわゆる幼馴染?昔馴染み?だ。
長年一緒にいるからか、相手のことを色々わかるのよね〜。
「お嬢様、今夜はパーティーなのですよ」
「相変わらず少し冷たいわね。分かってるわ」
「なら、いいのですが…」
リリアが心配なのも分かるわ。だって今日は、この国の双子の 王子の誕生日。
第一王子で冷酷のアルドルス・ニア・ヴァルト。
第二王子で明るいアルドルス・ニア・ヴィルア。
この2人の王子の18歳の誕生パーティーが王城で開かれる。
そこに王族はもちろん下級貴族から上級貴族までくると言う。
ん〜まあ何とかなるでしょ。
夜になりパーティーへ行くためにドレスを着こなした。
鮮やかな青のドレスに身をつつみ青のヒールを履いて、プラス大切なシンプルのネックレスを身にまとった私はすごく嫌だな〜と思っていた。
「お嬢様もう出発のお時間です」
私は馬車に乗りすごく笑顔だった。
「お嬢様その笑顔は王城ではおやめ下さいね」
私の笑顔の意味が分かったのかリリナはすごく呆れていた。
「はぁー。分かってるわよ…」
リリナを見て少し羨ましかった。すごく似合っていたからだ。
ご主人様より目立ってはいけないから、シンプルなドレスを着ているのにそれでも光り輝いているように見える。
「お嬢様の方が輝いて見えますよ」
いつも通り人の心を読んでる。
馬車の窓から外を見ていると王城が見えてきた。
「そろそろですね」
昔、彼女になぜ私の心が読めるかと聞いたら「秘密です」と即答された。なので未だになぜ心を読めるのか分かってない。
馬車が止まり王城に着いたのが分かった。
馬車をおりて王城の中に入ると、大勢の人がいてみんな輝いて見える。
「お嬢様あまり自由に行動しないでくださいね」
「分かってるわ」
また面倒事に巻き揉まれても嫌だし。
それから色んな貴族の人達に挨拶をし、30分が過ぎようとした頃、入場の音楽が流れ、王が先に階段から降りてきた。
その後ろに今日の主役。ヴァルト様とヴィルア様が降りてきた。
「えーゴホン。今日は息子たちの18歳の成人の日。ここまで成長できたのも、この国の皆様のおかげです。今日は息子二人の成人を盛大に祝いましょう!」
王様が言うと貴族達が一斉に飲み物の入ったコップを上にあげる。
「乾杯!」
みながコップとコップをぶつける音が王城の中で響く。私達もそれに合わせてコップをぶつける。
それから暇だったのでバルコニーに出る。
「今のところ大丈夫そうですね」
「そうね」
「お嬢様、私お手洗い行ってきますね」
リリナが行った後、私はボーッと大きい庭の噴水を眺める。
「こんばんは。銀髪のお嬢さん」
「…」
私はその言葉に耳を傾けなかった。
「あれ?無視されてる?ん〜なんでだろう。俺が何かした?」
無視を続ける。
近ずいて来る足音。手すりに手を置き、こちらをから見る。
「お嬢さんすごく面白いね」
「それはどうも。第二王子ヴィルア様」
ニコニコの笑顔に金髪で爽やかな青色の瞳、それに加え国宝級の顔面。
いい育ちの人はいい顔立ちってね。
「やっと話してくれたね」
「すいません。ついボーッとしていて気づきませんでした 」
作りスマイルで返す。
「やっぱり君面白いね。名前は?」
「ミファルト・バル・ルーニアでございます」
礼儀正しくドレスの裾を持ってお辞儀をする。
「ルーニアちゃんね。俺は知ってのとおりこの国の第二王子アルドルス・ニア・ヴィルアだ。よろしく」
「よろしくお願いいたしますわ」
うわ〜絶対に関わりたくなかったわ〜早くリリナ戻ってきてくれないかしら。
「それで今日の主役の方がどうしてこちらに?」
「あーゆう人混みより、誰もいない所に居たくてここへ。そしたら後ろ姿が素敵な、ルーニア嬢がいたってわけ」
「…帰れば良かったかしら」
ヒソヒソと独り言を言う。
「何か言ったかな?」
「いえ何も。じゃあ私はこの辺で…」
早くバルコニーから出よ。
バルコニーの扉を開けようとしたら腕を掴まれて、引き寄せられた。
「明日茶会を開くから王城に来てくれ」
耳元で優しく囁かれてなんか変な感じがした。
それからバルコニーを出てリリナと合流し家に帰り、リリナがいなかった時のことを話した。
「お嬢様、私がいない時に面倒なことに巻き込まれたのですか?はぁ…ずっとそばについてればよかった…」
リリナは呆れた様子で頭を抱えた。
「ごめんね〜リリナぁ〜」
「それで、明日そのお茶会に行くのですか?」
「うん。王族からのお招きだしー。またあんな事があっても嫌だし…」
もうあんな事に巻き込まれたくないもの。
「ではもうお嬢様は明日に備えてお休みください」
「ありがと」
私は明日のためにぐっすりと寝たのであった。
続く…