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少し気まずくなってしまった。ただ、もう会えることはないだろう。私もやりたいことがあるから、それに向かって努力あるのみ!
もちろん、来都くんのファンを続けつつ。ガムシャラに面接を受けまくった。
最後に来都くんと話してから半年が経った頃、来都くんも芸能活動を復帰したと同時に私も内定が決まった。
「来週からよろしくお願いします!」
ヨガのインストラクターは、思いのほか忙しいらしい。人の健康を気遣うことができる、まるで来都くんのようなお仕事。誰かのためになれるなら、それでよかった。
研修が終わり、やっと一人前になった頃。初めて私にVIPコースの指名が入った。個別に指導するコースだから、料金は3倍ほど高い。
より士気が高まった。
動画サイトでも、私のヨガは体が柔らかくなる!と評判で、人気が上がってきたところだった。あの時の来都くんの言葉がなければ、こんなにキラキラした私になれていなかっただろう。
彼のファンになって、彼と出会えて、本当に私は幸せ者。お互い再スタート頑張ろうね!と、心の中で勝手に約束した。
VIPコース当日、私は珍しく緊張していた。柔軟もより念入りに行い、準備が整った頃。時間よりも早めに、帽子を深く被った身長の高い男性がスタジオで待っていた。よし、頑張ろう。緊張を押し殺して、笑顔でスタジオに入った瞬間、拍手が起こった。
「もも!!ももコーチ!」
待っていたのは来都くんだった。
私は溢れ出る嬉しさを隠して、いつものように接した。仕事だからね。仕事に集中!彼の長い手足を触るのは半年ぶり。なんだか懐かしい気持ちになった。