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薇黎(びり)
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ml _ 💫
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海龍side
俺は昨日そのまま寝落ちてしまったらしい。
目が覚めた時には朝になっとった。
重い体を引きずりながら洗面所に向かう。
鏡に映った自分の顔を見て思わず笑ってしまう。
「どんだけ泣いてん…笑」
目がありえへんくらい腫れてた。
思い出さなければいいのに、また昨日のことを思い出してしまって胸がざわざわする。
今日、どうなってまうんやろ。
最寄りの駅のホームに着くと、いつもの場所に聖人が立っとった。
話しかけに行こうとしたけど、足が進まない。
動けないでいると聖人がこっちを向いて目が合う。
いつもやったらばかでかい声で挨拶してくんのに、すぐに目を逸らされた。
悲しいってよりムカつく。
その違和感は、学校に着いてからもっとでかくなった。
「よ、おはようさん」
「…お、おはよう」
聖人はそう言ってすぐに自分の席に行った。
おい、こっちの勇気返せや。
俺はすぐに聖人の後を追いかける。
「はいこれ、お釣り。」
「ええよお釣りくらい…」
「気にすんな気にすんな」
そう言って肩をトントンと叩く。いつもやったら「ありがとう」くらい返ってくるのに、今日は小さく頷くだけやった。
授業中、何度か聖人の方を見る。
でも目が合うことはなかった。
前やったら俺が見たら絶対気づいて笑ってきたのに。
昼休みになっても変わらんかった。
「……あれ、聖人?」
昼休みの時間になって、聖人の机を見るともう居なくなっとった。
クラスメイト「網代ならもうどっかいったで」
「え、あーそうなん?ありがとう」
どっか行ったってなんやねん。
俺は聖人を探しに教室を出た。でもあいつの居場所はもうわかっとる。
「ほら、やっぱりここおった」
誰もおらん屋上の影になるところで、聖人は弁当を食べとった。
「うわぁっ!!」
「そないびっくりすることないやろ。一緒に弁当食お」
「……大丈夫。他のやつと食ったら?」
俺を突き放すような言い方にイラッとする。
「なんでやねん。俺他に友達おらんの知っとうやろ」
「おるやんけ」
無言で俺は聖人の隣に座って、弁当を食べる。
「トンカツあげるから、そのグラタンちょうだい」
「は?!あかん!これ俺が好きなやつ」
「ふっ、わかっとうって。取らんよ」
「あ、、」
一瞬いつもの聖人に戻って安心した。やっぱ意図的に避けてたんやなって。
「…なぁ、なんで避けるん」
「……避けてへんよ」
「嘘つくな。…昨日のことなら気にしてへんから、お前もそんな気にせんくてええよ。」
「本気やと…思ってないん」
「え、?なにが…」
「そうやと思っとったわ。じゃあもうなにやっても無駄やん、笑」
聖人は泣きそうな顔をしながら俯いた。
「俺のことなんでもわかるんやったらはよ気づけよ、っ…」
聖人の声がどんどんでかくなっていく。
「俺はずっと幼馴染なんかいややった、ずっと好きやってん、っ!!」
頭が真っ白になった。
何言われたんか理解できへんかった。
いや、理解したくなかったんかもしれへん。
「…もう話しかけんといて」
「…は?なんでそうなんねん!」
「しんどいねんお前とおると!!」
聖人は立ち上がって教室に戻ろうとしたから、急いで追いかけようとした。でも聖人は振り返りもせんかった。
「……来んな」
屋上からの帰り道の記憶がほとんどない。
気づいたら家の前まで来とった。
聖人の顔も声も、頭から離れへん。
『ずっと好きやってん』
その言葉ばっかり何回も何回も思い出してしまう。
帰ってきたら拓途が家の前におった。
「あ、おかえりー」
いつもやったら普通に返事できるのに、今日は無理やった。
「海龍?」
顔を見た瞬間、張り詰めとったもんが全部切れそうになる。
立ち尽くしとる俺を見て、拓途は眉をひそめた。
「……拓途」
「…うん?」
「…抱いて、ほしい」
「鍵」
鍵を手渡すと拓途は俺の手を引いて部屋に向かった。
部屋に鞄を放り投げ、すぐ服に手をかけた。
「もう、解さんでええから…」
服を脱ぎ捨ててから、なんも考えずに拓途にキスをする。
勝手に涙が出てきた。あかん、ほんまに。
「ぁ”っ〜、っ”、、」
「痛い?」
「いた、ない…っ、んっ”、こんなもんっ、ぁ”すぐ慣れるわ…っ」
寝転んだ拓途の上に跨って、ゆっくりと腰を下ろす。
解してないせいで痛いけど、自分が解さんくていいって言ったんやし。
「い”っ、ぁん…っ、は”、ぁ…くそ、っ”」
気遣ってるんか拓途は無言で俺を見てるだけ。
でもその方が今の俺にはありがたかった。
溜まってたものが全部出るみたいに涙がボロボロでてきて前が見えんくなる。
「っん、”…ひ、ゃ…ぁあっ、”」
息を吸おうとしても上手く吸えへん。
胸の奥がぎゅうっと締め付けられる。 苦しい。
「海龍」
名前を呼ばれても上手く返事ができへん。
喉が詰まったみたいになって、呼吸もぐちゃぐちゃやった。
「海龍!」
「くる、…しっ、はっ、あ”…っっ、」
泣きすぎて息の仕方までわからんくなる。
拓途はすぐ異変に気づいて、抱き締められて唇を落とされる。
「は、っ…んん”、、ふ、っ」
拓途の肩に顎を乗せる。
さっきまでぐちゃぐちゃやった呼吸が少しずつ落ち着いていく。
「…もうやめよ。」
頭を撫でながらそう言われたけど、俺は止める気なんかなかった。
「止まらんとってっ、」
「もっと苦しくなっちゃうんじゃない?」
「ええから…」
俺は甘えるように拓途にキスをする。
少しだけ目を伏せてから頷いた。
「…わかった」
俺が甘えたら嬉しがる癖に、今日は全然乗り気じゃないのか静かやった。
「んぁ”ッ、!!♡っあ”〜〜ッ、く”ぅ、っ…」
拓途は俺を満足させてくれるように抱いてくれた。
行為後、いつの間にか拓途に抱き締められて背中をさすってもらっとった。
「…落ち着いた?」
「……うん、、なんとか…ありがとう」
「よかった。」
そう言って指で涙を拭ってくれた。
「一人でいれる?」
「……そんなガキちゃうし」
そう返したのに、拓途は納得してへん顔をしとった。
「なんかあったら電話して。すぐ行くから」
帰り際、何回目かわからんその言葉を残して部屋を出ていく。
ドアが閉まる直前まで心配そうな顔をしとった。
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いつも素敵な作品ありがとうございます!続きが気になるので、ゆっくりでもいいので更新待ってます🙏