〜side星導〜
4時限目
俺は机の上に出した腕に頰を乗せ、一定方向を見つめる
目線の先にいるのは小柳ロウ
俺の想い人
その小柳君が楽しそうに笑ってる
隣にはウェン
今は授業中で、隣の人と作業しなくてはいけないのは分かるが、そんなに楽しそうにしなくても‥‥
「お前は小柳ばっか見てないで調べろよ」
「あ‥‥ごめん」
俺の隣には伊波くん
ほぼ1人で仕上げたノートで頭を叩かれる
「そんなに見てたら小柳に穴開くって」
「‥‥俺そんなに見てた?」
「見てたよ。だったら早く伝えれば?」
「んー‥‥どうだろ」
俺と小柳君は高校で出会った
一緒のクラスになり、ゲームやアニメの話で意気投合して急速に仲良くなった
しかもマイペースな俺の世話までしてくれる
気付けばいつも一緒にいるのが当たり前になっていた
そう
あまりに仲良くなり過ぎたのが良くなかったのかもしれない
恋人にもなりたい
でも万が一降られた時‥‥
この関係に戻れないよな
だから言い出せずに1年が過ぎた
2年に進級してクラス替え
また同じクラスになれた
なれたんだけど、そこに現れたのがウェン
明るく陽気で気の良いやつ
分かってる
友達なんだから
俺もあれくらい陽気に絡んでいけたら人生楽しんだろうな
「お前さぁ、授業放棄しないでくんない?」
「‥‥‥‥はい」
どうしても自分より前にいる小柳君に気が向いてしまう
俺は伊波君に怒られながら参考資料に目を通す
「本当にすいませんけど、今何してるっけ」
「恋は盲目って言うけど本当なんだな。お前次のテストヤバいかもな」
「‥‥助けてよ、伊波くん」
「先に恋の方どうにかしてくれば」
「‥‥どっちも赤点になりそう」
また小柳君に視線を移す
ずーっと楽しそうに作業している
ふとウェンが後ろを向く
え?
今俺の事‥‥見た?
気のせいか‥‥
でも気になるな
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コメント
2件
/ rbruきちゃぁぁぁ!! え?え?蒼月さん(神ω神)続き楽しみにしています!!