コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
電車に揺られ、目的の駅にたどり着いた。その駅で降りたのはギブムたった一人。少し不安に思うギブム。そのギブムの不安を知る由もなく電車は行ってしまった。
改札を出て、少し歩いたところにとてつもなく大きな扉が現れる。
「……ここ以外道はなかったと思うんだけどなぁ…」
行き止まりになり、ドアに触れようとした時。そこに一人の女性話しかけてくる
「あなた、誰?」
「!」
突然話しかけられビクッと驚く。声の正体が見当たらない。キョロキョロとあたりを見渡していると再び声が聞こえる
「ああ、ごめんね。空からじゃ流石に分からないか。」
ギブムの目の前には黒く長い髪でカラフルのメッシュが入った女性が降りてくる。
「はじめまして。私はよら。君は?」
「ギブム・アーガイトです。」
「よろしく。早速なんだけど、この紙にあなたのことを書いてくれない?」その紙には契約書と書かれてあった。
「その紙にあなたのことを書いて私に渡して。そしたら私が提出するから。」
「提出したらどうなるんですか?」
「あなたはここの住人ってことが認定されるの。そうすれば色々楽になるわ。」
「そぉーなんですね!分かりました。」紙に自分の個人情報を書く。名前、身長、体重、年齢、性別、血液型、生年月日、家族構成。全てに記入し終えて紙を渡す。
「ありがとう、ふむふむ…よし、じゃぁ、提出してくるね。」と言ってよらは行ってしまった。
「え。扉はどうすんの?…無理矢理こじ開けろってことなのかな。」試しに殴ってみることにした。
「見るからに鉄だけど…えいっ!」ガンッ!!と音がしたとともに。扉が少しずれて隙間ができる。
「!!?開いたぁ!それより手が痛い。」血が流れ始める。が、気にせず殴り続ける。──数十分後。
「はぁ…はぁ……よし、ギリギリ入れそうな隙間まで来たぞ!」そして無理矢理体をねじ込む。
「うぅ…まだ狭いか…?……無理かも…」どうにか思考錯誤して体をねじったり、伸ばしたり、縮めたりして進むことができた。が、完全に挟まってしまった。どうしようかと頭を抱えていたところ目の前にある【何でも屋】と言う高い建物があった。
「何でも屋?」するとまた、よらの声が聞こえる。
「あ〜!扉開けてあげるの忘れてたぁ〜!早く行かな…きゃ………あれ。」
「あ。……よ、よらさぁん…」
「……どうしてそうなったの…」
「ごめんなさい。」
「まぁ、いいわ。引っ張って痛いかもしれないけど我慢してね。」ギブムの両腕を掴み、引っ張る。
「あ゛ァーー!!?痛い痛ぁい!!」
「もうちょっと我慢して!」更に強く引っ張り、ギブムが痛みに我慢し数分後。まだ別の人の声が聞こえる
「お〜い。よら、はんこ押してねぇぞ……って何してんの?」
「…羅刹。この子が挟まっちゃって。」
「いやいや、それは見りゃわかるよ?どうしてそうなったんだよ?」羅刹の問いかけにギブムはこうなった原因を事細かく話す
「あっはは!いや〜それは大変だったなぁギブム。」
「羅刹、あんたが引っ張ってくれない?私はできなかったのよ。」羅刹が陽気に笑いながら
「へいへ〜い。任せろぉ」羅刹が引っ張るとスポっと抜け出すことができた。そしてよらは「仕事が残っているから」と言って去っていった。
「ん〜はんこ押してもらわねぇといけないだけどな。はぁ、怒られるのはこっちなんだぜぇ?ったく…」
「あの…羅刹?さん。」
「ん?なんだ?」
「この、何でも屋ってなんですか?」
「あぁ、これか。これは文字通り何でも屋だ。俺の持ち家を貸して営業してるんだ。…何でも屋行く前にまずは病院だな。手、大丈夫か?」
「大丈夫…じゃないです。」
「だよな。よし、俺について来い、ギブム。」翼を広げ飛び立つ瞬く間に姿が見えなくなってしまう。
「無茶振りすぎる…」また、一瞬で帰ってくる
「お〜すまんすまん。」ギブムを片手で抱えて。再び高速で飛び立つ。