テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
春を感じさせるように、風が私に囁く
春を感じさせるように、花の香りがする
_4月
今日は、4月7日。入学式の日だ
私はこの春、高校生になる。大人へまた1歩近づく
真新しい制服はまだ身体にしっくりと来なかった
スカートは折らず、髪型は一つ結び。昔から行きたかった学校へと足を進めた
昇降口前には人が沢山いて、なかなか前にすすめそうにない。
人の間を歩き、自分のクラスを見つけ、その教室へ向かった
1年生の階は、どうやら1番上のようだった。4階から順に1年、2年、3年となっているらしい。
1年5組、その表札を探し廊下を歩いた。
教室に入ると、あまりグループはできておらず殆どが静かに座っているだけだった。
窓際の一番後ろ、そこが私の席
景色を見渡せて、教室も見渡せて個人的に大好きな席。誰かに話しかけよう。そう思い席を立った
時刻は8時。前のドアが開く。
「おはようございます」
声のする方へ目線をやるとそこに立っていたのは1人の男性だった。
スーツを着ている、若そうな先生
「今から入学式やるから、移動するよ」
「廊下に番号順に並んで私のとこ着いてきて」
丁寧な人だと思った。今のご時世、良くないかもしれないが男性で”私”と使うのはあまり見ない
入学式も終わり、各組で写真を撮り教室へ戻った
「じゃあ、改めて」
「みなさん、おはようございます」
全員の声が揃った。ほぼ初対面なのに。やっぱ挨拶って凄い
「うん、元気そうでよかった。」
「まず、自己紹介から行こうかな」
「これから1年間、このクラスの担任なりました。柳原颯斗です。よろしく」
笑顔が、とても似合う人だった。春風のような爽やかさを感じる心地の良い声だった
「次は、そっちに自己紹介して貰おうか」
「1番から、お願いします」
一人一人、自己紹介をしていく
このような時、自分の特技を、長所をすぐに言える人を羨ましく思う。何故すぐに出てくるのだろうか、自信を持って言えるのだろうか
一人一人のを聞いて、気づけば自分の番になっていた。昔から、人前で話すのが苦手だった。
今回の自己紹介も例外ではなく、言葉は詰まって、声は聞こえにくく、多分クラスで1番最低な自己紹介になってしまった
「はい、ありがとう 」
「じゃあ、配布物があるから配るよ、これ後ろ回してってー」
慣れた手つきだった。もう何年もやってきたのだろうか、見た目でいえばまだ20代に見えた。年齢はおそらく近い。私も数年後にはどこかで働いているのだろう。想像はできなかった
「じゃあ次、これね」
そういった先生の手には1冊のノートがあった
「これは、日記帳みたいな、、なんて言うんだろう?俺とやり取り出来るやつなんだけど笑」
「毎日提出だから忘れないように」
そう言って、配布された
何を書こうか、なんだか楽しそうで口元が少し緩んだ。マスクをしていて良かった。