コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
attention
⚠︎ knnk brshk
⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·
つるんでいる奴らの中に無口で滑舌の悪いイケメンがいる。放っておけなくて目が離せない、そんな奴。自分のお節介なのかいつの間にか彼と行動を共にする事が多くなっていた。正反対な俺達は勿論対立が生じる。その対立だってお互いが言いたい事を言えれば仲直りだ。そしてまた、俺達は隣に居る。決して付き合っている訳ではない。断じて。だが勘違いしないで欲しい。俺は男子間、女子間の恋愛を否定していない。寧ろ肯定的だ。周りに何と思われようと互いを愛している姿に少し惹かれるくらいには。
kr「スマイル昼。」
sm「あぁ。」
nk「あ、スマイル〜きりや〜ん!」
br「遅いよぉ〜僕もうお腹空いた〜!」
男子間の恋愛に対して肯定的であるのは、つるんでいる奴ら4人が互いに付き合っているから。所謂俺達は余り物だ。
br「シャークんあーん?」
shk「…自分で食うからいい。」
kn「なかむ、あ〜ん?」
nk「あ〜んっ!ん〜!おいひい〜」
kr「….お前らイチャイチャすんな〜!」
br「あはぁwやんさんが怒った〜!w」
最近はこの空間に居心地の悪さを感じるようになった。誰に絡んでも誰かが嫉妬する。昔は誰に絡んでも楽しくやっていたのに、嫉妬をしても良い関係になってしまった。遠慮している。そりゃそうだ。昔とは違うのだから。
kr「ご馳走様、俺委員会あるから先行くね。」
nk「オッケー、帰りは?」
kr「ちょっと先生に聞きたい事あって無理かも。ごめん。」
nk「りょーかい、また明日!」
kr「…うん、また明日。」
違和感の無い笑顔だっただろうか。溜息をしながら一段一段階段を降りていく。
明日も会うのか、此奴らに。あのカップル共に。
kr「っ…あれ、俺今…違ッ、俺は…っ」
何だよ今の。もう会いたくないみたいな。嫌い、みたいな。おかしいだろ。みんな大好きだったはずだろ。今も大好きだ。大好き、なんだよ。
kr「違う…ッ」
なんでみんな変わっていくの。
kr「違ッ…」
ずっとあのままで良かったのに。
kr「違うッ!!」
??「きりやんッ!」
声が重なると同時に肩を強く引っ張られる。されるがままに振り返ると、息を切らしているスマイルの姿があった。
sm「…大丈夫か?急に大きな声出したりそれに、」
と何かを言いかけて彼は口を噤む。言いたい事は何となく分かる気がした。だって今、俺は泣いているから。
視界が悪くとも彼の姿なら簡単に分かってしまう。だって、
俺はずっと此奴が好きだったから。
6人でずっと一緒に居たかった。そのためにこの想いには鍵をして変わらずに過ごしてきた。それなのに、
nk「…きりやん。」
kr「ん?どうした?」
nk「俺、その…好きな人が出来てさ。」
kr「え、マジ!?誰々?」
nk「その…
きんとき、なんだけど」
kr「…へぇ〜そうなんだ!」
nk「引かないの…?」
kr「全然ある話だろ?俺は応援するよ。」
nk「っ…ありがとう、きりやん…!」
br「やんさ〜ん。」
kr「何〜?」
br「僕ね〜
シャークんが好きみたいなんだ〜」
kr「ふ〜ん、いいんじゃね?」
br「え、やんさん肯定派?」
kr「まぁ、正直付き合ったとしてお前らが周りから何言われるか心配ではあるけど、お前らなら大丈夫だって俺は分かってるから。」
br「…えへへ、何かそう言われると嬉しいなぁ〜」
kr「ま、頑張れよ。 」
br「うん!ありがと、やんさん!」
平然と言ってきた。順調に進んでいく彼らを見て純粋におめでとうと言えなかった 。この黒い感情に気がつくのはそう遅くはなかった。きっと俺は、
ずっとずっと羨ましかった。真っ直ぐに気持ちを伝えられる彼奴らが。幸せそうな彼奴らが。すぐ触れられる距離に居るのに、どうしてこんなにも遠いのだろうか。その虚しさにまた落ち込む。
でも怒っている理由の矛先が向けられるのは彼奴らじゃない。向いているのは自分だ。これまで何もして来なかった自分へ。彼奴らに八つ当たりしそうになった自分へ。
sm「…きりやん。」
彼の一言で現実に引き戻される。
sm「その…だな、何かあったか?」
kr「…別に。」
sm「別になら泣いてないだろ。」
kr「それ…は、だって、」
お前が好きだから
なんて今更言える訳無いだろ。残ったから、なんて思われてしまうかもしれない。此奴にだけは変な勘違いをされたくない。
kr「っ…大丈夫だからッ!!」
sm「ちょっ…!きりやん!」
俺は空気に耐えきれず走り出した。このまま居ても平行線だ。
好きだよ、スマイル。
好きだったよ、スマイル。
もうこれも過去の思い出になる。
⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·
マイナスENDですが、しっかりプラスになります(次の話で)。