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「何処だろう⋯」
サクラがゴソゴソと学校の校舎裏にある体育倉庫の中を漁る。
「何探してるのぉ〜?」
湊はサクラの顔を覗き込むように問いかける
私たちは何が始まるのか予想もつかなかった。
「分厚い本⋯、無かった?」
サクラは埃まみれの場所を一生懸命に探しながら答えた。
分厚い本⋯?なにそれ、。
湊には全く見当が付かず、湊は首を傾げていた。その時、
「あ!あ、あったよ」
「おぉ〜!結依ないすぅ〜!!」
結依が倉庫の隅の下に落ちていた本を見つけた。
大きくて本当に分厚い青い表紙の本。文字は何語なのかわからなくて、何処か神秘的なオーラを纏っているようだった。
「結依ちゃん、ありがとう。じゃあこれで行けるね、準備はいい?」
「っ、⋯」
これから私はどうなるのか、ユーフォリアに行っても結局必要とされてないかもしれない、けど、けど⋯。
もうどうしようも無い事なのは確かであった。
ルリ、を、助ける為に。
そして結依は行く覚悟を決め、大きく頷いた。
「結依、大丈夫?」
「う、うん⋯、わかった。行こっか」
「そうこなくっちゃ〜!」
「結依ちゃん、湊ちゃん、目、瞑ってね。 」
「は、はい…」
「はいは〜い」
三人の瞼がゆっくりと閉ざされていく。
体育倉庫の前で、今にも破れてしまいそうな本をサクラが開く。すると、明るい光が私達だけを照らし、次の瞬間、倉庫の前に三人の姿はあっとゆう間に無かった。
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