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赤「….」
保「やっぱり、別室行こっか。」
俺は今日も保健室にきている。
でも、他の人もいて相談はできない。
できないというかしない。
別に悩んでいることなんてないから。
勉強して、読書をする。
いつも通りの生活。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る。
それと同時に、体調が悪い生徒や、怪我をした生徒が入ってくる。
いつもは教室に戻るのに足が動かなかった。
いや、動かさなかった。
保「はいはい、〇〇くんと◇◇くんは仲良く戻りなー。△△ちゃんもねー。」
人がいっぱいで息が詰まる。
保健室の先生がこっちをむく。
保「りうらくんは、戻れそうかい?」
赤「フルフル」
保「そっかそっか。」
保健室の先生がたくさんの人の対応をして人がいなくなる。
でも2人ぐらいは残っていて、
1人は早退の生徒。
もう1人は特別学級の生徒だ。
早退するため、先生が電話をする。
プルルルル
保「でないなぁ…」
保「体調が悪い感じか?」
赤「まぁ…ニコそんな感じニコ?うん…」
いつもの悪い癖が出る。
自分でわからなくなると笑ってしまう。
先生は電話が繋がったようで話し始める。
俺は外に咲いている枯れかけの向日葵をぼーっと眺めていた。
電話が終わり、俺の横に先生が座る。
保「どうした?何かあった?昨日とはだいぶ顔つきが違うなぁ。」
保「他の部屋行った方がいいかな?」
俺はバレるかバレないかぐらいで首を縦に振った。
でもばれていないようだ。
保「やっぱり別室行こっか。」
赤「コクリ」
あーあ。
俺は夏休みからずーーっと言いたいことがあった。
夏休み中も溜まっていった。
ピアノのことだったり、親のことだったり。
でも夏休みが終わって、言おうと思ったら言えなくなった。
いや、言い方がわからなくなってしまった。
相談ってどうやってするんだっけ。
どうやって話してたんだっけ。
わからない。
保「何かあった?」
保「昨日とは全然顔が違うよね。」
赤「……」
保「何か言えそう?」
言わなきゃいけない運命なんだ。
ここまできてしまった。
きっとこのままじゃ戻れない。
赤「夏休み前ぐらいから…」
赤「ずっと何か心の中でモヤモヤしてて」
赤「なんか引っかかってて。」
赤「でもその正体が”なんだか”わからなくて。」
赤「だから”どうすればいいか”わからなくてポロ」
言葉が詰まってしまう。
保「そっかそっかぁ。じゃあさ、なんかなんとなくはわかる?」
保「学校のこと、家のこと、自分のこと、友達のこと、勉強のこと、とかわかる?」
赤「わかりませんポロ」
保「それは大変だよね。」
保「話してくれてありがとうね。」
先生は俺の涙が止まるまで、他愛のない話をし続けてくれた。
保「戻れそうかな?」
赤「はい。」
保「ん〜、なんか心に貯まっちゃう前に話してね。りうらくんは溜めちゃうタイプだから。
赤「はい。」
保「先生はいつでもりうらくんの味方だからね。」
小説でよく聞く言葉。漫画でよく聞くセリフ。
お母さんだってよくいう言葉。
どの物語もなんとなくで流していた。
でも、
でも、先生のこの言葉はすごく重く、
すごく心に残った。
赤「は”い!ニコ」
久しぶりに心から笑えた気がした。
泣きそうになったけど、我慢した。