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私には年の離れた妹がいる。
公園で遊ぶ約束をして、
手押し相撲や、サッカー。
殆どの軍配は私に上がる。
何かあるとすぐ怒る妹が
今は大人の階段に足を差しかけている。
まだまだ、見た目は変わらぬが
様々な場面で大人になったと感じる。
頭の辞書に増えた単語。
使い古したお絵かき帳。
ヒビの入ったスマホフィルム。
新しくなった大きめのお財布。
歩幅も大きくなっていて時の流れを感じた。
時の流れは残酷で
僕らにとってはとても無慈悲で
直ぐに僕らを置いていく。
逆らう事は少し出来ても、
直ぐに僕らは老いていく。
認めてみようものならば、
直ぐに死が追い駆けてくる。
死神との鬼ごっこがもう既に始まっている。
美味しい物を食べながら
これでもかと老いに抗い、
時々認め、負い目を感じる。
追いかけてみた妹の背中は
気付けば私より早かった。
私は初めてついに、追いかけっこで負けた。
にこっと笑う妹に、
悔しい顔して笑う私。
年齢は離れていても
心は近くに座っている。
走ることが大好きな妹に
今日も笑顔で置いていかれる。
「先に帰るよ!よーい、どん!」
「負けるか!まてぇ!」
そんな日々を 私は今日も追い駆けています。
※実話です。