One Love

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先生は今まで私がしてきた苦労に気づいてるのかな。

先生のせいで泣いたことも

喜んだことも、悔しんだ事も。

先生に出会わなければ⋯なんて何回も思った。

渡辺翔太に出会わなければ

こんな辛い気持ちも ちょっとした勘違いも

全部負わなくていいんだって。

でもそれ以上に出会ってよかった。

そう思う。

出会わなければ生まれなかった感情も沢山ある

だからこの思いをどうか

結婚式で先生に伝えたい。

渡辺side

入学式で〇〇を見たあの日。

ほんとは少し気づいていた。

姫野の娘だって

顔も仕草もちょっとした雰囲気も

姫野に面影がある。

姫野の娘 っていう感覚で少しずつ俺は話しかけて見たけど気が付くと彼女に心を揺さぶられてしまっていた。

それでも、彼女は知っているのか。

俺と君のお母さんが付き合っていたと。

知ったら話しかけて貰えなくなるだろうか。

ガッカリされるだろうか。

あの時の俺の気持ちを

結婚式で〇〇に伝えたい。

・

結婚式。

やっとこの日が来た。

何度だって夢に見たこの日。

高校時代には単なる妄想だったこの話が今じゃ現実で起こってるなんて。

『⋯綺麗ですか？』

「うん。ものすっごく」

『よかった、先生もカッコイイです。』

「ありがとう」

なんだか、照れ臭くて笑っちゃう。

「〇〇の同級生も来んだろ？」

『はい！』

「やっべぇわ。めっちゃドクドクしてる」

『緊張してますか？』

「うん。触ってみ」

先生はそう言って

私の手を取り、先生の胸にあてた。

「どーしたよ。笑」

『⋯えっ？』

「顔、真っ赤っかだぞ？」

『⋯ばか、先生のせいだし』

「えぇー？」

もう、気づいてるくせに。

“新郎新婦様、そろそろご準備を。”

ウエディングプランナーさんの声で

私達は準備をする。

それでは新郎新婦様の入場です

小さい頃からずっと憧れていた。

誰よりも輝くドレスを着て

みんなの視線が私に向いて

隣には大好きな貴方がいる

今

大切にしたい時間

───それでは誓の───

この日は私の一生忘れられない。

大切な日になった。

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