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この花が枯れるまで。
こうやって私は思い続けている。
私の名前は ユリ 。
学校でも家でも嫌なことばっかりだ。
出来るのであれば静かにこの世から消えたい。
それでもひとつ、嫌じゃないことがある。
それは今はもう会えない母が大切に育てていたこの花を見ることだ。
母はわたしが産まれる前から植物が好きだったらしい。
特に、 ゆり 。
だから私の名前もユリにしたんだ。ってよく母が話してた。
私の部屋にある白い、素敵な花瓶。
その中には1輪のゆりが飾られている。
私の唯一の楽しみがそのゆりを見ること。
私はその花に一生懸命水を毎日注いでいる。
でももう枯れそうだ。
その花びらと離れたくない。と訴えかけるように毎日命を繋ぎ止めている。
この花が枯れるまで私はこの世へ存在しようと思う。
だって、この花が枯れると私がこの世にいる意味はないもの。