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人生の楽しみができました🥰
神作品、、神すぎて言葉が出ないっす、
続きでございます!
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大好きな声が微かに頭に響く。ぼんやりと、何を言っているのか分からないが、私の愛する声だ。
重い瞼を薄らと開け、声の聞こえる方へ視点を動かすと、途端に涙が溢れてきた。
私の目線の先には、緑のパーカーを深く被った男が座っていた。
視界が滲んでいてよく見えなかったが、何かをずっと喋って居たのは分かった。
そしてしばらくすると、数人の黒い服装の男達がやってきて、彼を連れて扉から出て行った。
em「ぃか……な、で…」
咄嗟に出た言葉。
声にはなっていたものの、まだ不完全で前と変わらず、歩き続ける彼には聞こえなかったようだ。
だが、私は諦めきれなくて、痛くてどうしようもない体を無理やり起こし、彼を追いかけた。
点滴も全て取っ払い、必死に名前を呼んだ。
em「ッゾ、ムさッ」
「まっ…」
最後に刻まれたあの記憶が脳内にチラつく。
怖いはずなのに、せっかく会えたこのチャンスを逃したくなくて、必死に歩いた。
em「ゾム…さ…ッ」
「いかな…で……」
「ゾムさ…ッ」
(ドサッ)
あと少しの所で力尽き、私はその場に倒れた。
em「はぁッはぁッ」
「やだ…ッ」
「ゾ…さ…、」
段々と声も出なくなり、喉には吐き気だけが残る。
em「ッぅ゙え゙ッ…」
「はッはぁッ」
「ゾムさ……」
「まって…」
ボロボロと涙が零れる。
空っぽの胃の中からは胃液だけが出続け、喋るのもままならなくなってきた時、私はふわ、と優しく抱きしめられた。
em「ゾ、…む……」
zm「ごめんな、エーミール」
「俺はまだ一緒には居られへんのや」
「でも、もう少しの辛抱…」
em「いややッ…!」
zm「ッ…」
苦しそうにそう話すゾムさんに被せ、私は駄々をこねた。
em「いっしょッ…にいたぃッ」
「いかな、でッ」
ゾムさんが離れられないように、服をぎゅっと掴んで抱きしめる。
だが、長い間眠っていた身の為、どれだけ力を込めてもゾムさんの力には勝てず、引き剥がされてしまった。
zm「エミさん、聞いて?」
em「いやッきかへ…ん」
zm「もぉ〜、駄々っ子になったなぁ」
そう言って、困った表情で私の頭を撫でる。
その一時は、今までに無いくらいにあったかくて、心地よかった。
em「おいて…ぃかな、で…」
「ずっと、いっしょ、に…ッ」
「いるって…」
zm「うん、ずっと一緒や、何があっても」
「でも、今はまだ一緒に居れへんのよ」
「絶対迎えに来るから、もう少し待ってて」
そう言い終わると、再び私を抱きしめ、数人の男達と去っていった。
そして私は落ち着いた後、勝手にベットから離れた為、病院側に説教を受けた。
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一旦ここで切らせて頂きます!
あと3話以上くらいはあると思いますが、最後まで追って下さると嬉しいです!!
それでは!
次回でお会いしましょう