テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

16

 

 後半は、ホワイトフォードのキック・オフだった。

 笛の音と同時に、エドが全速力で走り始めた。歩幅の大きな伸びやかな走りには、一点の迷いも感じられない。

 ボールは、右ハーフ・バックの4番に下げられた。4番は顔を上げて、前方のエドに浮き玉を蹴り込む。

 エドは背後からのパスを、ふわっと足元に収めた。すかさず敵の3番が詰める。

 エドのさらに外側を、7番が上がっていた。エドは、7番が平行の位置に来た瞬間に、左足のインサイドで転がす。

(頭はクールで、心はホット。理想的な精神状態じゃんかよ。マルセロよ、一瞬たりとも気は抜けねえぜ。今のエドは、お前に追随するからよ)

 密かに高揚する桐畑の口は、自然と綻ぶ。

 7番は少し溜めてから、エドに戻した。再び、エドと3番が対峙する。

 エドはふっと脱力し、棒立ちになった。そのままゆっくりと前方を見回す。

 唐突にボールを前に転がしたエドは、ダッシュを始めた。ドンッ! と、音がするような勢いだった。

 ポルトガルのコートの深くまで達したボールを、エドと3番が追う。超スピードの二人の戦いには、別次元の迫力があった。

 ゴール・ラインのぎりぎりで、エドが中へと蹴り込んだ。しかし3番はスライディング。ボールは、コート外へと跳ねて行く。

 エドは、一瞬の躊躇もなくボールを追った。地面に押さえて、ホワイトフォードがキック・インを得る。

「エドー! 良いテンポ、良いテンポ! もう一工夫を加えて、さらに変化を付けて行きましょー!」

 逆サイドの遥香から快活な声が飛んだ。他の選手からも声援が続く。

 ボールを地面に置いたエドは、野望を感じさせる笑みを浮かべた。

時空超越ストライカーズ!~A Football Tale in Great Britain~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

11

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚