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コメント
2件
その逆とは…? 桜ちゃんのご家族とのご対面が楽しみ🤗
いざ、出陣! 桜ちゃんジンさん頑張れ〜🚩 2人ならなんとかなる✊️
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大阪の喧騒を背に、ジンの愛車「トヨタ・レクサスNX」のブラックボディが朝陽を反射しながら阪神高速を滑るように走っていた
レクサスの車内は最新のレザーシートとウッド調パネルの高級感に満ちているが、運転席のジンと助手席の桜の間には、まるで先日の道頓堀のキスの余韻が漂っているかの様に、二人の間には微妙な緊張感が充満していた
ジンはハンドルを握り、視線を前方に固定している、運転席に座ってしまえば、うっとりとだらしなく彼女を見つめ過ぎてしまわないでいられる
先日の道頓堀川での出来事は危なかった、彼女にほっぺにキスをされて、思わず演技だと自分を戒めていた箍が外れた 逃げる彼女を捕まえて、唇を合わせた途端、そこが観光客が大勢いる道頓堀川だということをすっかり忘れてしまった
貪るように彼女の唇を味わい、口を開けるように催促した、彼女の口はとても上手かった
彼女がとうとうジンの攻めに降伏して口を開けると、アイスクリームの様なフルーツグミの様な、滑らかな彼女の舌を思わず吸って、絡めて・・・食べてしまう勢いだった
途中で川から流れて来た観光船に乗るギャラリーに冷やかされ、やっと我に返って彼女を離した、 浜崎は橋の上を見るといなくなっていた・・・
このまま諦めてくれるといいのだが、きっとそうもいかないのだろう、ちらりと隣の桜を盗み見ると、彼女は窓の外を眺めながら、指でスマホのストラップをクルクルと弄んでいる、桜のトレードマークである淡いピンクのニットカーディガンが、朝の柔らかな光に映えて、いつもより少し大人っぽく見えた
「あの・・・ジンさん、淡路島までどれくらいかかるんですか?」
彼女が唐突にジンに向かって口を開いた、ジンの心臓がドキリと跳ねる、あいかわらず今日も彼女は可愛らしい、その存在がなんとも言えずに彼女が隣にいるだけで、なぜか微笑んでしまう
「ん? ああ、後30分ぐらいかな?・・・今高速は空いてるよ」
彼女は今でも変わらず、文句の一つも言わず偽装結婚の「任務」に全力で取り組んでくれている
そんな律儀な彼女でもさすがにいきなり家族に結婚の報告をしに帰省するのは、かなりハードルが高いだろう、その証拠に車に乗ってから、ずっと彼女はなんとなく元気がない・・・
途端に責任を感じてジンは言った
「その・・・大丈夫だよ・・・」
「は?何がですか?」
桜がキョトン?とジンの方を向いて言った
「一人娘の君のことだ・・・それはそれは、ご両親に大切に育てられているんだろうね・・・それなのに何処の馬の骨ともわからないヤツがいきなり「お嬢さんと結婚しました」ってやって来るんだよ・・・」
「はぁ・・・」
コホン・・・ 「だから、怒り心頭の君のお父さんに、頬の一発・二発殴られる覚悟はできているから・・・」
「ええ?」
「安心して、君のお父さんに何をされても僕は耐えるつもりだから」
ボソッ・・・ 「その逆よ・・・」
「え?」
桜はまた余計にシュンとしてふさぎ込んだ ジンは桜の父親はどんな怖い人なんだろうと運転しながら考えた 明石海峡大橋を渡り、淡路島の緑豊かな風景が広がる、レクサスのエンジン音が心地よく響く中・・・
ジンと桜はそれぞれの思いを抱えながら、桜の実家「山田旅館」への道を進んだ