テラーノベル
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玲王愛され
キャラ崩壊、ネタバレ注意
逆行ifでやってます。なので捏造ありまくりです。
アニメ勢の方にはネタバレになってしまう部分があるので注意
口調迷子
挿入絵あり
今回は玲王視点
それでも良ければどうぞ ↓
「クソッ…!またとられた〜!!」
「うぉっ!!千切速っ!!!」
「ひとりでドリブルすんな!!とれねぇじゃん!」
3人で公共施設のコートをかりた俺たちは1対1対1でサッカーをして、各々自分の得意とする武器を使って相手を翻弄していた。俺はというと、だいぶ身体が慣れてきて國神と別れた時以上の実力を出せるようになってきており、前世?の実力を遥かに超えられてきたが、何があるのかわからないので何かあった時のための切り札になるように、潔や千切には少しずつ成長してきている風に見せるために、本来の実力の60%ほどよ実力で1対1対1を臨んでいた。
そしてそれを2時間ぶっ続けで気づけばやってしまい、本来のサッカーの試合時間と同じくらいやって流石の中学生の体力でもキツくなってきたので、少し休憩をとってまた1時間半ほど遊んでから帰ることにした。
「はぁ…はぁ…流石に疲れた…」
「玲王〜、マッサージよろしく〜」
「おー、ちょっと待ってろ。水飲むから」
潔が貸し切った広いコートの上に寝転がり、その横に脚をググッ…と軽くマッサージして、上手くいかないのか俺に頼る千切が綺麗な芝生のコートに大の字で横たわる。俺は流石に御曹司としてのプライドがあるので、寝転がることはせず芝生の上に腰を下ろして水を飲む。
千切は俺が飲んでいるのに「早く〜」、「足悪くなったらどうすんだ、早くマッサージして」とグチグチ言っている。これも俺が小学校の頃から千切に『お前の脚は特別だからな、ちゃんとケアするんだぞ〜』と言いながらも、千切が覚えなくてはいけないケアを全て俺がやってしまったのが原因だ。そのせいで、俺がいる時の千切は絶対俺にケアをお願いするようになってしまった。でも、千切が1人で自主練している時に一緒にいた人の話によると、自分で俺がやっているようなケアをいつもの様子からできなそうだと判断し、手伝いに行こうとしたら何食わぬ顔で、いつも通り1人でできていたという。千切は俺にそれがバレてないと思ってんのか知らんが、俺がやらないで放置していると「玲ー王ー!お前がやらなきゃ俺できないんだから、早くしてくれよ!」と急かしてくる。
ブルーロックにいた頃の千切は俺を甘やかしてくれることは多々あったが、甘えてくれるようなことは滅多になかった。だからなのかこの甘えん坊の千切が見れる今がとても嬉しいのだ。ブルーロックの頃と比べて信頼されている感が半端なくて優越感がとてつもないくらいある。まぁ、ブルーロックにいた頃は俺がメンタルボロボロだったせいで千切を甘やかす余裕なんてなかったから、甘えてもらうなんてことはせいぜい背中を預けて凪たちと戦ったことや、髪の結い合いっこくらいだったと思う。だからこうして千切に甘えてもらえると、ブルーロックにいた頃の頼り甲斐のある千切を思い出して自然と笑みがこぼれてくる。
「玲〜王!!早くしろって!」
「はいはい、わかったからちょっと待てって」
俺は急かす千切に微笑みながら近寄り、いつもよりか念入りにマッサージをしてあげた。
楽しいことはあっという間に過ぎていく、という言葉は本当にその通りで俺と千切、そして潔がサッカーをぶっ続けでやる2日間は通り雨がすぎるが如く終わりを迎えていた。
「玲王坊っちゃまのお友達さま、お迎えにあがりました。」
「おー、悪いなばあや。わざわざ東京から埼玉まで来てくれて…大変だったろ?」
「いえ、玲王坊っちゃまにお久しぶりにお会いできてばあやは疲れも吹っ飛びました」
「そうか…?まぁ俺もばあやに久々に会えて嬉しいよ、このまま千切を空港に送っていくからその後に父さん達のところに行こう」
「かしこまりました」
潔の家の前にドン!という効果音がふさわしいくらいのリムジンを止め、俺とばあやは久方ぶりの挨拶をする。その様子を家の中からチラチラと気にしながらも、気にしていないふりをするのは家主の息子であり俺の友達の潔。その息子の母の潔のお母さんは「まぁまぁ…!」と口に手を当てて驚きと興奮を隠せずにいる。俺の乗るリムジンで送ると言った千切はさすがの図々しさも、本物のリムジンの前では消えているのか「これに…?いや、無理無理…流石の俺でもメンタルキツイって…」とブツブツ言っている。
まぁ気持ちはわからんでもないが、そこまで 言うか?というのが俺の本音である。こんなに動揺している千切を見るのは面白いが、悠長に見ていられる時間はないし、路上に長時間止めると近所の住民たちに迷惑がかかるからさっさと乗り込ませたい。それに飛行機の搭乗時間や俺の親父たちとの会食?もあるわけだし、あまり時間に余裕がないのでどうにか渋ってる千切を早く乗せたい…と思った俺は面倒なので、とっとともので釣ることにした。
「千切早く乗れよ、中にかりんとう饅頭と緑茶用意してるか「何してんだよ玲王、さっさとこいよ!」……。速くね?」
俺がかりんとう饅頭とくちにした瞬間、潔の家の玄関扉の前にいたはずなのに、千切の前に立っていた潔達にぶつからずに、まるでどこかの黒茶のカサカサと動く、頭文字がGから始まるものを連想させるかのような素早さで車に乗り込む。俺は千切のあまりの釣れ具合にため息を零しながら、かりんとう饅頭を食べるのを見て、車に乗り込む前に数日世話になった潔達へ近づく。
「3日間お世話になりました。これ、良かったら貰ってください」
「えっ!?これ、御影コーポレーションのクーポンじゃない!?しかも3枚も!?まぁまぁ!ありがとう玲王くん!」
「いえいえ、これはほんの気持ちですので」
俺は潔母に特別感あふれる実家の事業、日本で超有名企業である御影コーポレーションの買い物専用クーポンを手渡す。自慢ではあるが、俺の実家はかなり優秀な人材が豊富で業績もうなぎ登りだし正直ウハウハだ。もちろんこのクーポンを渡すことは両親に相談済みだし、許可はしっかり得ている。両親いわく『これからもよろしくというお願い』だという。そんな俺の両親の企みも知らず潔母は嬉しそうに笑ってお礼をしてくれた。なんだかこちらの方がグサッと心に刺さる何かがあって、罪悪感が半端ない。
グサグサと罪悪感に刺さっていく棘を抜こうと、心の中で苦闘する俺に声をかけてくるのは、天然な潔母の1人息子の潔世一だった。
「…玲王、また会えるよな」
「嗚呼、もちろんだろ。でも来年は会えねぇわ」
「はぁ!?聞いた直後にそれかよ!!」
俺が言った言葉に潔は憤慨しながらも、なんで来れないのか理由を聞いてくる。こういう所律儀なんだよなー、こいつ。と思いながらも潔の少ししゅんとした雰囲気を察して話してやる。
「来年はちょっと俺、ガッツリ予定あるんだよ。大事な…な?」
俺の言葉に潔はキョトンとして、深いため息をついてしかたないなぁ…という顔をしながら俺の肩をぽん、とたたく。
「お前がそんなにいうなら頑張れよ、応援してる」
「! さんきゅ、潔」
潔のそんな素直な激励に感謝しながら笑うと潔は、きゅうにボンッ!と耳まで真っ赤になって固まってしまう。潔母は「キャー!よっちゃん!萌えね!萌えを直に受けちゃったのね!!!」と、意味不明なことをニヨニヨと笑い息子に向かって叫びながら、固まってしまった息子の肩を揺らす。俺はというと、もちろん潔のように顔は真っ赤になってはないがあまりの意味不明な行動に、理解が追いつかず固まってしまう。そんな俺を見ていたばあやがポンポンと俺の肩を叩いて車に乗るように促す。俺は即座に頷いて潔が起きるように思いっきり肩を揺らして言う。
「これ、会えない代わりにやるよ。今度は上手いライオン作れよ 」
俺は潔の手にエビのキーホルダーをぽんと乗せて、時間がないので走って車に乗り込む。乗り込んだ瞬間に意識が戻った潔は走り出そうとする車に
「玲王!!ありがとう!また作ってやるよ!」
そう高らかに笑いながら叫んだ。俺はくすくすと潔の興奮っぷりに笑いながら返事した。
「当たり前だろ!つくんねぇと承知しないから!」
俺たちは昔のように片方が泣く、悲しい別れではなく清々しく相手の成長を待ち望むかのような綺麗な別れをした。
「んー!今日から白宝か…凪、ちゃんといるんだろうな…まさかサボってるとかねぇよな、」
「玲王坊っちゃま、そろそろ学校へ行くお時間です」
「嗚呼、わかってる車を出してくれ」
執事は俺の言葉に返事をし、早急に車を用意し俺を車に乗せる。車の中には一周目と同じようにばあやのみで父と母の2人は乗っていない。1周目の時も特に気にしてないし父と母がいなくても別に気にしないのだが、今の生ではあまり両親と過ごせていなかったからか、両親がなぜか過保護気味でなかなか自由に行動できない。新しく何かを始めると言うと1周目の時とは違い、毎回何故か本人よりかもすごい張り切って行動してるし、なんなら息子と一緒に息子のやりたいことをやる気でいた。流石にやりづらいし気まずいから止めたが凄く断りにくかったのは印象的だった。そんな両親が今回入学式前に参加しないのは前世と同じく、海外のお偉いさんにお呼ばれしてしまいどうしても席を外せなくなってしまったからだそう。小学校も中学校の入学式も参加出来なかったから、せめて高校でもと思った矢先にこれだったのでショックをうけていたようだが、俺としてはいてもいなくてもそんなに気にしないのでどちらでも構わなかった。
あの両親のあまりの落ち込み様を思い出したら、溜息をつきたくなるのでグッとこらえて千切のことでも考える。千切とは潔と別れた夏休みの後、適当にオーキャンに二人で参加して遊んだりした後勉強会をし、夏休み終了。その後は毎年恒例の行事をこなしつつ卒業式になり俺は東京へ、千切は鹿児島で高校進学をという形の別れになり綺麗に別れてきた。1周目の2次選考のときに初めて会った千切と違う今世の千切は、どこか俺に対して弱い部分を見せていたからてっきり泣かれるかと思っていたが、最後まで笑顔でいたため案外拍子抜けしたのを覚えている。
俺がぽかんとしていることに気づいた彼は、綺麗な目を細めてニヤリと笑い「なに?泣くとでも思った?」なんて俺の頬を続きながら聞いてきた。正直泣かれると思ってた、と答えると千切はムスッと頬をふくらませて誰がお前のためなんかに泣くもんか!って怒鳴ってきたので、そこからは幼い頃の互いのやらかし暴露大会になった。
途中で千切のお姉さんが参加してきたが、何故か自分の弟ではなく、 俺の味方になって俺と出会う前の さらに昔の千切のヤラカシを大声で叫んで千切と取っ組み合いの喧嘩になっていたのを思い出す。
「坊っちゃま、お着きになられました。」
「おう、さんきゅー。迎えはまた連絡する」
俺は運転手に軽く返事をして校門をくぐる。1周目と同じように生徒たちは、俺の外見を見てうっとりと芸術品を眺めるように見つめる。今日は入学式だから生徒たちの両親や祖父母がいるのだが、大人たちまでもがチラチラとこちらを見てくるのでどうも落ち着かない。多少は慣れていたと思っていたが、有名校となるとそれなりに地位の高い生徒がいるわけでうちと取引関係のある人間の子供もいるからか、社会的地位をあげたいがために取り入ろうと品定めしている視線が気持ち悪い。
入学式早々に保健室に行きたくなったが、運がいいのか悪いのか俺は新入生代表挨拶という任務があるため、あいにく保健室は使えないし入学式をバックれることもできない。バックれるつもりはさらさらないのだが、この視線に囲まれていると思うと逃げたくなくとも逃げたくなるのは自然なのだろう。
逃げたくなる一方で、千切とか潔は俺のことそういう目で見なかったから楽だったなぁ…と東京に来る前の日々を思い出す。戻りたいな、なんて思っちゃいけないのはわかるがそれでも懐かしいアイツらといる時間は心地よかったから離れたくなかったと嫌でも感じてしまう。
とりあえず、嫌なことばっか考えてないで入学式終わらせて凪を探してサッカーやらせねぇと!!!と、前向きなことを考えてこの視線をやり過ごすことを決めた。
コメント
1件
あの、まじでこういう系探してましたありがとうございます!!