テラーノベル
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街の中央部に建てられた自分の像を見て、俺は思い出した。
魔王討伐の勇者パーティーに居た俺は、通りがかりにこの街から黒龍の群を追い払ったことがある。
当時の俺の魔法、『百本の矢』で。
先ほど殲滅したあの黒龍たちはその時の生き残りが数を増やしてこの街を滅ぼしに来ていたのかもしれない。
(しかし、再び私の目の前で街を襲おうとするとは運のない……)
大人も子供も自分――コルネリウスの銅像に祈祷を捧げる。
「コルネリア様、再びの平穏をくださりありがとうございます」
「こるねりあさま~、ありがとう~ござ~ます!」
「貴方も立派な魔法使いになるのよ」
「はい! 母上!」
そんな町人たちを見つめながら思う。
(そうか、クリスタリア魔法学校ができたのは恐らく俺に影響を受けたからか)
俺の魔法を見て、人々は目指したんだ。
自分たちの街を、自分たちの手で守れるように。
俺がそんなことを考えていると、ニヤニヤと笑みを浮かべた少年たちに話しかけられた。
「お~、そこにいるのは。ラティスじゃねぇか!」
男子生徒の3人組で、1人は大した巨漢だ。
そして、俺――ラティスへの罵倒を始めた。
「レオグラッド家、唯一の落ちこぼれ!」
「魔力試験、テメェだけ何の魔法も発動しなくて面白かったぜ!w」
「みんなの笑いものにされてたな!w 教師もこんなの初めてだって!w」
そうか、このような者たちも居るか。
私が世間から距離を置いた理由も少しずつ思い出してきたな。
老人らしく、私は彼らに説教をすることにした。
「なぜ笑う? 人が頑張っている姿を」
「はぁ? 惨めでおもしれーからだろうが!」
「自分がそうだったらどう思う? 周囲に笑われて、心に傷を負うとは思わないのか?」
「分かってるからやってんだよ!」
「ていうか、なんだテメェ? 今日は何か生意気だな?」
「いつもはオドオドと逃げ回ってる癖によぉ」
「やっちまおうぜ!」
そして、3人は俺に殴りかかってきた。