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ルイの目が本気モードに変わった時、ガオナは震えた。ルイの、猛獣のような目を初めてみたからだ。それもそうだ。ルイは仲間と認めたものには優しくするが、敵とみなしたものには、容赦なく、襲いかかる。だから稽古の時もルイは本気を出せていないのだ。だからこそ、ガオナはルイの本気を知らない。手加減したルイの実力しか知らない。それに気づかないガオナの力不足のおかげで、隙がつけた。

「ルイ、攻撃を開始して」

『りょーかいっ!』

ルイは私の言葉と共に、ガオナに攻撃を仕掛けた。ここでルイに下手な指示を出すとルイの戦闘能力を潰してしまう。だから戦闘中の私は仲間の位置を教えるなどしてルイのの援護に回る。

バギッ

ルイの膝蹴りがガオナの顔にクリーンヒットした。ガオナの鼻から、血がしたたる。ルイの不意打ちに対応できなかったのだろう。でも、怪我を負ってもガオナは口の端を醜くつりあげた。それと同時にルイの背後に二つの人影がみえる。

「ルイ!後ろ!」

『わかってるよ〜』

なんとも呑気な声とは裏腹に人影に蹴りを決め込む。2人が床に倒れ込む。どうやら気絶したようだ。弱っちいな。どうやら集められた部下は下っ端だらけみたいだ。ガオナの背後に部下と思わしき人がゾロゾロと群れる。

『っふ!いや〜まさかお前がこんなに強いとはね。だが、こんな数を1人で倒すのは少々骨が折れるだろう?あぁもちろんこいつらだけじゃなくて俺もだけどな。俺も相手しながら数も相手するのはきついぜ?ルリも呼んだらどうだ?』

バン!

ルイが発砲したようだ。部下の1人が倒れ込む。

『ねぇ、今なんて言った?ルリのことバカにしたよね?ルリは戦闘能力には欠けるかもしれないけど組織の誰よりも冷静で、ハッキング力が優れている。そんなの稽古をつけてきたお前が1番わかってんだろ?基礎の基礎のハッキングもできねぇ脳筋がルリをバカにすんじゃねぇ。』

ガオナがルイを挑発する。ガオナは私が戦闘能力が低いことを知っているから、それを出しにしてルイを逆上させて、冷静さを欠こうとしているのだろう。でもそれは逆効果だ。ルイは、私をバカにするものがいると、本当に手がつけられなくなるのだ。あーあもうどうなっても知らない。

バキッ!ドカッ!ゴキッ!

ルイは次々とガオナの部下にけりを沈めていく。ルイはあまり武器を使いたがらない。その為、素手で戦った方が強いのだ。そんな化け物じみたルイの攻撃に相手が畏怖するのがわかる。その気配に気づき、ルイは相手に接近して顎にアッパーを打ち込んだ。舌を噛んだようで絶命していた。そうしているルイの後ろにガオナがナイフを振りかぶっていた。

「ルイ!後ろ!」

『だいじょーぶだよ。』

ガオナの頬に蹴りを一発沈ませる。その様子をみたガオナの部下は後退りする。

『何?降参する?』

部下たちは一斉に持っていた武器を床に投げた。弱い上に誇りも何も持ってないなんて…どれだけ統率が取れていないのだ。多分、寄せ集めの部隊なのだろう。

『ルリ、撤退した方がいい?』

「そうね。…いつガオナが目を覚ますかはわからないからね」

『…撤退なんかさせるわけないだろ?』

『「!」』

くそ、ガオナは気絶したフリをしていたか。でも、ルイにボコボコにされた状態で、どうやってルイを引き止めるつもりなのだろう。そう思案していると

『これだよ、これ。』

『「!」』

嘘でしょ、自分ごと殺す気?正気の沙汰じゃない。ガオナが持っていたのは私たちがボスから渡された爆弾のスイッチと同じものだった。

クリスマスプレゼント

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