テラーノベル
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とある日、蝶屋敷の広間。
そこにいたのは、うっかり“天元主催の私的強化稽古”に巻き込まれた不死川実弥だった。
「おい宇髄!なんで俺まで巻き込まれてんだよッ」
「フッ!お前も柱だろう、不死川ァ!派手に鍛えて派手に生きろッ!」
「うるせぇ!俺は地味でいいんだよ、地味で!」
今日の稽古テーマは、なぜか「体幹と色気の融合」。
「おい、てめぇ、なんだその謎のテーマは」
「よくぞ聞いた!『静止しながらセクシーに構える』。これこそ派手柱の真髄!」
実弥、ドン引き。
だが強引にポージング指導が始まる。
「不死川ァ!もっと肩を落として色気を出せ!背中で語れ!」
「うるせぇな!なんで稽古で色気が必要なんだよ!!背中で語るのは隊士への信頼だけで十分だろがッ!!」
隣で天元が決めポーズを取りながら、
「派手とは信念!派手とは魂!」と語る姿に、実弥の目が死んだ。
「帰るぞ。なぁ、俺、帰っていいよな」
「ダメだ。お前の腹筋には可能性がある」
「知るか!」
そしてその後、無理やり金色の羽織を着せられた実弥が、恨めしそうに「誰にも言うんじゃねぇぞ……」と天元を睨む姿が、蝶屋敷の廊下で目撃されることとなる。
ちなみに――
そのとき偶然通りかかった善逸が、羽織姿の実弥を見て泣いたとか泣かなかったとか。
実弥はその日、「派手」という言葉を生涯で一番聞いたらしい。
そして数日後、天元におはぎを10個渡され、全部受け取って黙って帰ったという。
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