テラーノベル
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昨日と同じように始め、アップダウンの裏拍を取ってもらうところで昨日はぐちゃぐちゃになったので
「はぁい、今から私は皆さんと違うリズム取りをします。皆さんは表のまま、裏の私を見てもつられずにアップダウンをキープですよぉ」
と、私だけ裏拍を取る。
「急に膝がカクカクになってる方、一度私じゃなく隣を見て…」
アップダウンが反対の私を見ただけで、リズムが狂う人が複数いる。
「自分の体で音を聞いて、アップダウン、アップダウン…」
もちろん私の声は皆さんのアップダウンに合わせて、自分の体は逆に動かす。
あとは昨日と同じように進めて終了。
また黒服二人がさっとスタッフ出入口に私を誘導した。
「お疲れ、サイサイ先生、器用だねぇ。アップって言いながらダウンは難しいだろ?ここでやってみたけど」
「俺の才花と同じレベルで話するな」
「おおこわっ…」
植木さんが全く怖くない様子で震えるフリをする方が怖い。
「才花ちゃん、夏はこのまま友達と遊んで帰るんだけど会う?」
「会える?」
「VIPシートで会えるよ」
「じゃあ、行く。羅依は?」
「うるさくなるから、ここで待つ」
「分かった。緒方先生のお姉さんでタクの彼女だからね。ちょっとお礼だけ言って来るね」
タクと下に降りると、タクに気づいた一部のお客さんが湧く。
さっきの黒服二人が私とタクをVIPシートに案内すると、すぐに女性3人がやって来た。
「こんばんは」
「どうぞ、座ってください」
私とタクが言うと‘こんばんは~’‘失礼します’と口々に言いながら席に着く。
「3人ともレクチャー受けてたよな?」
タクが、マッシュルームカットのニュアンスを取り入れたネオマッシュスタイルの女性に聞く。
「うん。サイサイ先生、楽しかったです。緒方千夏です」
「はじめまして。藤堂才花です。サイサイは、緒方先生命名なんです」
「聞きました。タクからも弟からも話は聞いたんで…少し…ケガ、大変でしたね」
「はい。でもタクにも緒方先生にもすごくお世話になって、おかげで踊れるくらいになりました。ありがとうございます」
「とても頑張った才花さんの努力ですよね。職場の友人と参加したんですけど、今日のレクチャーも分かりやすかったよね?」
「うん。うまく出来なくてもここだけ押さえれば、それなり、みたいなのがいいよね。気後れせずフロアへ参戦出来る」
「そうそう。でも明日は筋肉痛」
「筋肉痛…なります?」
意外な言葉に3人を見た。
「絶対になります」
「えっと…夏さんでいいですか?」
「はい」
「夏さんは立ち仕事ですよね?タクから、ホテルのカフェって聞いてるので」
「はい。でもアップダウンなんてしないから、あれだけやれば太ももが筋肉痛だと思います」
「爪先使ったりもしたから、ふくらはぎも筋肉痛かもよ?」
「絶対そうだよ」
「でも弟のところで黙々とトレーニングするより断然楽しいと思います」
「才花ちゃん、働くお姉さんたちは運動不足なんだよ。毎日ワークアウトを欠かさない才花ちゃんには分かりづらいだろうけど、才花ちゃんの方が珍しい人」
コメント
3件
初日で筋肉痛のワタシは… カクカクじゃなく、ガクブルガクブル😵💫
絶対に筋肉痛🦵💥&こむらがえり決定🥲
才花ちゃん…絶賛筋肉痛です… 植木さんついサイサイ先生をガン見しちゃうからつられちゃって!さすがサイサイ先生だよね✨ 羅依に怒られちゃう🤭 夏さん達の話を聞いて才花ちゃんなにか思い付いた?