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ある日、涼ちゃんが古い譜面を持ってきた。
「これ、元貴の机の中にあったんだって。」
そこには、走り書きのメモがあった。
「僕は変わった。
でも、それでも音を嫌いになれなかった。」
その一文を見た瞬間、若井の手が止まった。
あの夜、元貴が言った「音が遠くに聞こえる」という言葉。
それは、 “音を信じたい自分”と“変わっていく
“現実”の間で
苦しんでいたサインだったのかもしれない。
「俺、元貴に何もできなかったな」
若井がつぶやくと、
涼ちゃんは首を振った。
「違うよ。
元貴は、若井くんの音を最後まで信じてた。
だから、あのノートを残したんだよ。」
俺は静かに一人で泣いた。
元貴はあの時助けを求めていたのかもしれない
「何も出来なくてごめん、元貴…」
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