コメント
1件
【rbr side】
ポカポカと日があたる部屋で動物たちは昼寝をする。
獣人は何時でも動物になれる為、普通の人間よりも体力を使う。
だからほとんどの獣人は昼寝をするのが日課となっている……が
俺は基本昼寝をしない。
何故なら、俺の動物は小さすぎる為、そもそも変身をしないからだ。
だが、今日は珍しく変身して昼寝に参加してみた。
しかし、なかなか寝付けない。
なので、人間に戻って部屋を出ようと思い、身体を起こす。
この軍の幹部の約半分は獣人だ。
色んな動物が1か所に集まっている。
ブタ、フクロウ、ポメラニアン、チワワ…そして今日は黒猫もいた。
黒猫の後ろ足には痛々しく包帯がまかれている。
ボフンっと音を立て、人間に戻り、服を着る。
『ブヒ…』
ブタが起きたようだ。
ブタはこちらに来て、人間に戻る。
tn「あ”~~……よう寝たわ」
トントンはそう言いながら服を着始めた。
rbr「夜もこれくらい寝てくれw」
tn「しゃーないやろ、大先生らが書類出さへんねんから」
トントンはW軍の書記官。
W軍には総統だけでなく、書類を出さない奴らが大勢いる。
1番仕事が多いと言っても過言ではないだろう。
そんな会話を行いながら、部屋を出る。
ut「お~お目覚めか」
そんな俺らを待っていたのは大先生。
こいつはただのクズ()
tn「書類終えたんか?」
ut「え、あ~…6割★」
tn「嘘だろ……」
ut「まぁそれよりさ、グルちゃんが呼んどるんよ」
rbr「そうなんか、それははよ行かなな」
どうやらグルッペンは食堂にいるらしい。
どうせ甘味でも食べているのだろう…。
食堂では、マンちゃんとエミさんが2人で紅茶を飲んでいた。
奥の席ではグルッペンが甘味を食べながら新聞を読んでいる。
tn「どうしたんや」
トントンとともに、グルッペンへ声をかける。
起きたか、とグルッペンは顔をあげると、新聞をこちらへ見せてきた。
gr「K国の次期総統が死んだらしい。」
rbr「K国の次期総統…?」
tn「あの万年次期総統って言われてた子か?」
説明しよう。
数年前…俺がまだ軍学校にいた頃、K国の総統が亡くなった。
亡くなる前から次期総統は亡くなった総統の息子だと決まっていたのだが…。
実際に総統になったのは亡くなった総統の弟。
息子は総統にならずのまま、次期総統のままだった。
ずっと次期総統だという事から「万年次期総統」というあだ名がついたのだが…。
どうやら一昨日その次期総統が亡くなったらしい。
総統が亡くなるならまだしも、なぜ次期総統が…?
次期総統ならある程度の護衛などがつくはずなのだが…。
tn「少しおかしないか?次期総統が亡くなるなんて…病気があったとかいう噂もなかったし…」
トントンも同じようなことを思ったのだろう。
gr「そうなんだよ!病気だという噂もないし、何より死因については何も書かれていないんだ!!」
少し興奮気味に語りだすグルッペン。
こうなってしまったら先は長いな…
そんな話をしていると、チワワが食堂へ入ってくる。
チワワは吠えて、何かを訴えた後、昼寝の部屋へと戻ってしまった。
しかし、俺らは分かる。
チワワは俺らを部屋に呼んでいるのだ。
俺らはチワワの後を追って、部屋に向かった。