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仁人くんが無理をしてしまい入院するほどの病気になってしまったお話です。こちらもリクエストです。太智くん目線で書いています。
あの日からや――
仁人が何かを隠してるって、気づいたんは。
食欲がないという日が増え、 レッスンの合間にふらついたり、袖口で何度も額の汗を拭ってたり。けど、 聞いても「寝不足」とか「ちょっと夏バテ」で済ますんや。
それが仁人や。
“心配かけへんように”って、自分のこと二の次にしてまう人や。それも知ってて、気づいてなのに……
けど、限界は来た。
その日、仁人はリハーサル中に崩れるように倒れた。
勇斗が「おい仁人!?」って駆け寄って、俺は心臓が止まるかと思うくらい焦った。直ぐに救急車で病院に運ばれていく仁人に付き添った。
病院で、診察と血液検査の結果が出た。
お医者さんは、
「自己免疫性肝炎です。以前から疲労感や微熱はあったと思いますが、ご本人があまり訴えなかったので、発見が遅れたのでしょう。すでに肝機能に軽度の障害が出ています」
やって。
その場で俺、息できんくなった。
仁人は、そんな病気を、ずっと一人で抱えて、ステージに立ち続けとったんか……。
入院してから2日後、点滴を受け続けている仁人が目を開けた。
「じんちゃん…なんで、言わんかったん……」
「……太智は、メンバーは、俺が病気って知ったら、絶対に心配するってわかってたから」
「当たり前やろ。心配くらいさせてくれよ。」
仁人は、ぽろぽろ泣いた。
「ほんとは、怖かったんだ。M!LKでいられなくなるのが、降ろされるんじゃないかって……」
「降ろさん。誰も、じんちゃんをひとりにせぇへん。俺が、絶対に支える。これからもM!LKやから、何があってもな」
そのあと、仁人の病気のことはメンバーにも伝えられた。
勇斗は拳を握りしめて「なんで気づけてあげられなかったんだよ、俺」って自分を責めてた。
柔太朗はずっと黙ったまま、何度もうなずいてた。
舜太は泣きながら「俺も力になりたい」って言うてくれた。
ライブは一部活動調整になった。ファンのみんなには心配かけた。でも、仁人が「戻ってくる」って言ったから、俺らも踏ん張れた。
治療は長期戦や。
でも、俺は毎日、仁人の手ぇ握ってこう言う。
「今日もよう頑張ったな。明日も一緒に、おるで」
――もし、夢のステージから遠ざかっても、うちはかまへん。
仁人のそばにおれるなら、それが一番の幸せやから。
だから、負けんなよ、仁人。
リクエストにお答え出来て切るのか不安ではありますが、こんな物語で良かったでしょうか?
ルルさん、リクエストありがとうございました!