こちら第4話です
第3話→まきぴよさん
頭も身体もふわふわして、ぼやけた視界の向こうにはめめが立っている。
ちゃんと2人で話さなきゃ。なのに声が出ない。
🖤『阿部ちゃんていつもそう』
違う。違うよめめ。
行かないで。話を聞いて。
めめだって、いつもそう。どうして俺を、俺の気持ちを置いてけぼりにするの。
💚「……」
気付いたら病院のベッドで点滴とカテーテルを繋がれていた。
看護師さんたちがガヤガヤと動き回り、外で待っていたのであろう照が呼ばれて入ってきた。
💛「阿部。身体どう?」
あの時俺は突然意識をなくして、秘密裏に救急搬送されたらしい。
急性アルコール中毒ではあったが、想定より早く意識も戻ったのでゆっくりすれば明日中には回復するだろうとの事だった。
💛「明日の練習はもういいから。体調良さそうなら家で自主練だけして」
💚「うん…」
💛「今色々あるんだろうけど、こんな飲み方二度とするなよ」
💚「ごめんなさい」
照はため息をつくと
💛「でも、無事で良かった。本当に心配した」
と呟いて、急に目が潤んだ俺を見て慌てた。
💚「ごめんね照。今優しい事言われると、なんかこう…きちゃって」
💛「阿部」
俺はいつでもお前の味方だから、と頭を撫でられ、涙を指で拭われる。
結局照は朝まで付き添ってくれて、俺を家に届けてから練習に向かった。
ちょっと遅れるし、俺はいないしで、めめは何かあったのを察するんだろう。
部屋に1人になると、色々な思いが巡る。
めめが俺のために色々してくれてるのは知ってた。
でも、俺はめめに何でもフォローしてもらわないと生きていけないわけじゃない。
お互い自立しているからこそ、その上で支え合っている関係だと思っている。
それをちゃんと言葉にしないで冷たくして、挙げ句急にシャッターを閉めてしまったから、めめが困惑して怒るのは当然だ。
そして、めめの人生は、めめのもの。
好きだからこそ、悔いのないように生きて欲しいしチャンスはあるだけ掴んで欲しい。
もし俺の存在が足踏みをさせているんだとしたら、至れり尽くせりしないといけないパートナーだと思われているのだとしたら…
そうじゃないと伝えたいし、背中を押したい。
考えているうちに寝てしまい、泥のように眠って1日が終わった。
第5話→まきぴよさん
コメント
4件
自分のことよりもお互いを大事にする2人だからこそなんだろうなー この二人は切ない
頑張った!!! もうワンターンかな。