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洋子さんと別れて家へ帰る。
旦那にもしものことがあったら…そんなこと考えたことなかったけど。
このままなかなか離婚が進まなかったら、有り得ないこともない。
反対に、私がうっかり逝ってしまっても旦那が迷惑するだろうから、このなんだか良さげな手続きのことは、教えておいてあげよう。
そうしないと、少し不公平な気がした。
まぁ、話したところでの反応は見えてるけど。
晩ご飯の用意をしながら旦那に洋子さんから聞いた話をする。
「…そうなんだって。だからさ、離婚が成立する前にそんなことがあったら、さっさとその姻族関係終了届だっけ?しようね、お互いに」
「ん…、あぁ、そうだね」
「ちゃんとおぼえておいてよ、そうしないとうちの親の面倒を見ることになるかもよ、それにね、介護とか法要だけじゃなく、お墓の管理もついてくるんだからね」
今ではめずらしくない墓終い。
でも、これもきちんとしておかないと遺族が可哀想。
それに、あんな身勝手なお義父さんやお義母さん、お義姉さんのゴタゴタを押し付けられたりしたら、私の人生最悪になる。
サラダとカレーをテーブルに出した。
あと福神漬けと、ビールかな。
「…んは?」
ボソっと何か言う旦那。
「え?なに?」
「スプーンは?」
かっちーーーん!
「それくらい自分で出せばいいでしょ!なんなら私の分も出せばいいでしょ!黙って座ってれば全部出てくるって、どこの殿様なの!」
旦那はガタンと立ち上がり、ゴソゴソとカトラリーケースからスプーンを出す、私の分も。
「サラダはお箸?フォーク?」
「どっちでもいいから、さっさと出してっ!」
カトラリーケースからフォークを出す。
私がこんな剣幕でも、特に変わらずのそのそと行動する旦那。
出会った頃はこんなことも、可愛いとか思ってたはずなんだけど。
イライラのあまり、少しばかりの殺意が芽生えた。
出会った頃の好意は、年月がたつと殺意に変わるのかと、愕然としながらビールをあけた。