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「きゃっ……」
宙に舞った足元から、パンプスが脱げて、玄関へ転がり落ちる。
「このまま、じっとしておいで……」
……彼の寝室までお姫様抱っこをされ、ベッドにそっと身体が横たえられた。
シーツに散らばる髪が撫で下ろされ、瞼に頬に唇へと、止めどなくキスが落ちる。
「あの、シャワーを……」と、羞恥に駆られて声がこぼれると、「ダメだ」と、引き止められた。
「……そのままの君を、抱きたいんだ」
「だけど……、」
「脱がせたい。その美しいドレスを」
熱を帯びた彼の手が両肩にかけられると、もう拒むことなどは出来なかった──。
ベッドに私の身体を組み敷いた彼が、もどかしげにスーツの上着を脱ぐと、
スリーピースのベストのボタンを外し、首筋にチュッと音を立てて口づけた。
「……んっ」
ネクタイを緩めワイシャツの胸をはだけると、彼がふと私の顔を見下ろした。
「……悪い。君が可愛すぎて、抑制が効かない。もし無理をさせても、許してくれるだろうか……」
「無理だなんて……」と、首を横に振る。
「抱いていて、もっと……」
小さく口に出すと、唇に柔らかなキスが落とされて、
「……私のわがままを聞いてくれて、嬉しいよ」
ひそめた声で耳元に囁きかけられた。
ワイシャツの袖から抜き取ったむき出しの片腕で、私の背中を抱えると、彼の指がドレスのファスナーをゆっくりと引き下ろした。
「……綺麗だ、とても……。それ以外に、言葉が見つからない……」
露わになった胸元に唇を寄せて、
「こんなにも君が欲しくてたまらない……鈴」
切なげな掠れ声でそう漏らすと、浮き出た鎖骨にそっと歯を立て、皮膚の薄い部分を甘噛みをした。