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#溺愛
桜咲かな
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#溺愛
桜咲かな
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#人間不信
東 桃子
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・.。. .。.:・
土曜日、ジェニは6時40分にはメビウスビルの正面玄関横の道路に到着した
新しく買った黒のTバックに、明美断然お勧めのベルサーチの背中が開いたドレスに、白のブラウスを着ていた
このブラウスを彼に脱がせてもらうのが楽しみだ、彼を待ちながら、バッチリ装飾したジュニアの、白のフェイクファーのハンドルを指でトントンした
初デートに出かける15歳の小娘みたいに緊張している・・・だいたい自分の初デートを思い出したところで、自信が湧いてくるものでもない、ジェニの初デートは中学三年の時の同じクラスのバスケットボール部の子で、別の学校の試合を見に行かないか?と連れていかれて、その後、学校のらせん階段の裏でキスされた
今思えば、よく思春期にある、ただキスがしたかっただけで、キスをしてしまうと、その子の想いも冷めてしまった
それからは、お互い受験などで学校以外で会う事も無くなった、あれから12年の歳月が流れて、精いっぱい着飾っているジェニの膝は、やっぱり震えている
出かけに兄が
キヒヒッ「竜馬に会うんだな?目に星が入ってるぞ」とジェニをからかった
自分だって明美を見る時は、目に星が入ってるくせに
そして6時50分・・・メビウスビルの正面玄関が開いた、竜馬はとてもカジュアルな装いで現れて、ジェニは驚いた、デート仕様の彼はとっても素敵だった
いつものビジネス仕様の彼は・・・ビシッとスーツ姿で、ブランド物のネクタイを結び、髪はオールバックで、腕には高級時計が光っている
そういう彼は、まるで戦場に戦いに行く戦士のようで、逞しくて、とても好きだ、それと対象に今日は初めてジェニの前にカジュアルで姿を見せた、彼は・・・なんとも言えないほど若々しくて好青年だった
彼は紺色の太ももがぴちっとしたダメージストレッチジーンズを履いて、足元は黒の編み上げブーツだ、トップスはブラックのダボッとした、肌触りの良さそうなベルベットのシャツを素肌に粋に着こなしている
ボタンを上から三つほど外しているので、胸元が大きく開いている、喉元のくぼみと、逞しい胸板の上部を覗かせている、そして細いシルバーのネックレスが、とても似合っていた
彼のこういった装いが・・・どれほどジェニをときめかせているか、おそらく全然彼は知らないだろう
今日の彼は、実年齢よりもとても若く見える、今すぐ駆け出して、彼にタックルして地面に倒し、ありとあらゆる場所にキスしまくりたくなる、飼い主が好きすぎて、隙あらば飼い主の腕にしがみついて、腰を振るブルドックになった気分だった
ああ・・・心臓がドキドキする・・・
ジェニは落ち着けと自分に言い聞かせた、彼の髪型も、整髪剤を何も付けていないサラサラで、前の方の束がちょろっと額にたれ落ちていたりする、ジェニはそれを見る度、彼の髪に指を通したい衝動に駆られてしまう
彼が歩道を歩いてきてジュニアに到着するまで、ジェニは運転席のルームミラーごしに見つめていると、彼はジュニアの助手席にまわり、ドアを開けて乗り込んできた
「わぁ!!」
彼はそう言って、面白そうにジェニが頑張って装飾した車内を見渡している、車のルームミラーには、ハワイのレイをぶら下げ、クーラーの吹き出し口には、ハイビスカスの芳香剤が刺さっている、他にもトラック野郎が付けているような、キラキラUSBライトで光るシフトレバーを見て彼が笑った
―ああ・・・竜馬さん・・・会いたかった―
彼がこんなに近くにいる・・・数十センチ先の、彼の肌から体温が放射されるのが感じられる・・・彼の唇はずっと端が上がって、笑みが生まれている
「おもちゃ箱の中にいるみたいだ」
そう言われただけで、ジェニの装飾の奮闘がむくわれた気がした、ジェニは運転席で身を起こした
「あ・・・あの・・・今夜のデート行先は、まだ決めていないの・・・出来ればあなたと話し合ってからと思って」
―本当はあなたの家でイチャイチャしたいけど―
「僕の希望を言ってもいいかい?今日も可愛いね・・・会いたかったよ、ジェニ」
彼がそっとジェニの髪の毛を耳にかけ・・・もっとよく顔を見ようとした、彼に触れられると催眠術にかかったようにうっとりしてしまう・・・こうして永遠に、ここに座り、彼の優しい手を感じていたかった・・・たとえ行きかう通行人にジロジロ見つめられても・・・まったく構わなかった、だって私達は恋人同士の両想いなんですもの
「大学生のようなデートをしないか?」
彼は微笑んで言った
「大学生のデートってどんななの?大学に行ったことないから分からないの」
ジェニがワクワクして彼に聞いた
「海辺の公園を散歩して、それからピクニックシートの上で、ハンバーガーを食べるってのはどう?」
フフッ「最高!!じゃぁ北港の、ヨットハーバーなんてどう?良い所があるの」
「いいね!そこへ行こう!」
二人はお互いを見合って笑った
・.。. .。.:・
ジェニの横で彼は鈴木jrの助手席のシートをめいっぱい後ろに引き・・・長い脚を折りたたんでいる・・・ジェニはウキウキしてジュニアを発進させた、彼が窓枠に肩肘をかけて、無造作の髪を風に遊ばせている
片方の口の端はわずかに上がって終始優しく微笑んでいる・・・こんな狭いシートでも、彼は楽しんでくれている、リラックスしている彼を見ると、とても嬉しかった
北港のヨットハーバー横の国道に、灯りが煌々とライトアップされた、大手チェーンのハンバーガー屋があった
ジェニは未舗装のガラガラの駐車場にジュニアを駐車し、二人はハンバーガー店に入って行った、竜馬がジェニのためにドアを開けてくれた、竜馬と一緒にメニューを見て、竜馬はクラッシックアボガドチーズバーガーと、ジェニはアメリカンフィッシュハンバーガーを注文し、その他にもポテトやカトラリー・アイスコーヒーのグランデサイズを二個注文した、そして全部の商品をテイクアウトボックスに入れてもらった
レジでジェニが慌ててポシェットから三つ折りのセリーヌの財布を出して、彼がカードを店員に渡すのを遮った
「待って!ここは私が払うわ、あなたにはお礼を言っても、言いきれないほど、してもらってるのに―」
「だめ!」
彼が整いすぎている顔を歪めて「めっ」とばかりにジェニを睨んで言う
「君は僕の女だ、僕は君を食べさせる義務がある」
ヒュー♪とレジにいる男性店員が口笛をふいた小声で
「ヤバイ・・・バリかっこええ♪」
とボソッと呟く・・・二人のやり取りを聞いていた、その後ろのカウンターの中の店員の女の子達がザワついている
「ちょっと!盗撮しないでよ」
ジェニがその店員達をキッと睨む、カウンターの奥で女の子の店員達がサッとスマホを隠した
ジェニは彼の腕をぐいっと抱き寄せ
「彼は私のものよ」
とばかりにツンと顎をあげて、半ば強制的に竜馬の腕を引きずって店を出て行った
「・・・なんかあったのか?うん?」
彼が不思議そうにジェニの方に身をかがめた、香水ではない・・・彼の男っぽい匂いがふわりとジェニの鼻孔をくすぐる
触れた体のぬくもりが激しい波のように体中に伝わった・・・男性の匂いがこのように酔わされるものであるのを、ジェニは初めて知った
心臓がうるさいほど鳴っている・・・突然彼にキスしたくなってしまう、他の誰が見ていもおかまいなしに彼に飛びついてしまいそうだ
彼がテイクアウトボックスを持ってジェニの歩幅に合わせて歩いて行く
「ものすごい男性優位主義者なのね」
ジェニはさっき竜馬に奢ってもらったのを思い出して、照れ隠しで言った
「そのとおり!でも女性にしか出来ない感謝の表し方があるぞ」
クスクスジェニが笑う
「それじゃ、私はこの後、ご奉仕することになるのね」
「そのとおり!」
彼は満面の笑みで言った、ジェニの期待が最高潮に上がった
―好き好き好き好き好き!竜馬さんが大好き!―
きっと彼もジェニの思いと同じだ
今夜確実に私達は結ばれるんだ
コメント
1件
うわあ、第115話、めちゃくちゃドキドキしました!竜馬さんのカジュアル姿、ギャップ萌えがすごい…いつものスーツ姿も素敵だけど、ダメージジーンズにベルベットシャツの胸元が開いてるのは反則級にときめきますね。ジェニの「ブルドックになった気分」って表現、めっちゃわかる(笑)「君は僕の女だ、僕は君を食べさせる義務がある」のセリフ、強引だけど愛があってニヤけました。大学生デートの提案も可愛いし、二人の距離がぐっと縮まった感じがして、続きが本当に気になります!