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零番線特急

零番線特急

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9

9 発車時刻となりました

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2021年11月04日

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 ドアが開いた。

「あのね、君達も大人なんだからさ。気に入らないからってそういう扱いは良くないよ。確かに金髪君のマナーはなってないけど、君達も」

 言い 募(つの)るスーツの横から、偽物は車内に入ろうと足を出した。

 その目の前にまるで手品のように姿を現したのは、あの不気味な車掌だ。

「乗車には切符が必要です」

 車掌は偽物の前に立ちはだかり、機械的な口調でそう言った。

 不気味な手のひらを偽物に差し出す。

「乗車には切符が必要です」

   面喰(めんくら)ったように口を 噤(つぐ)んだスーツが誰よりも先に立ち直り、自分のポケットから切符を取り出した。

「ほら、切符だってさ」

 そしてスーツが切符を車掌の手のひらに乗せようとした時、偽物の手が伸びて先にそれを掴みとった。

「何をする。それは僕の」

 スーツの声を無視********

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