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【おやすみ】
※オリキャラ×隠者、犠隠(犠釖×隠者)
甘いのか?暗いのか?(どっちだよ)
疲れた。アルヴァは途絶えそうな頭の中でそう思う。今日は研究ばかりして試合の後もろくに休息を取らなかった。フラフラしながら自室へ向かう。その時、角から出て来た馴染みある姿。
「…………犠釖。」
「…………………?」
アルヴァはヨタヨタ近付き、犠釖の袖を摘んで引き寄せる。目がしょぼしょぼとしているのは眠たいからだろうと犠釖は察する。
「……来い。」
犠釖が手を伸ばし呼ぶとアルヴァはコクコクと頷いて体を預けてきた。
「ん、。」
アルヴァをお姫様抱っこで抱え、自室へ向かう。途中からアルヴァの規則正しい寝息が聞こえるのに中々色気がある寝息だと不敬にも思ってしまう。
「ほら、、。」
アルヴァをベッドに寝かすと力無く腕を掴まれた。
「…………なんだ?」
「…ん、、ぎと、ぉ。」
「あぁ、、ここに居る、、。」
余程疲れているのだろう。犠釖はアルヴァの額へキスを落とした、母親が子供を寝かし付ける様に。
「……………私にこんな心が無ければ、お前は今頃廊下で寝ていたぞ?」
誰に言うでも無く1人呟く。
「(昔の私のままだったら今のお前を助けようとはしなかっただろうな、、。)」
「(昔の私は、、、人の心を持たなかった、、、もっと、、環境が良ければ、、良かったのかも知れない、、。)」
消える事の無い過去を呼び起こした事に犠釖は首を振る。考えるべきでは無いと自分に言い聞かせた。そしてぐっすり眠るアルヴァを見る。
「お前の友もお前の疲れ果てた姿は見たくないとさ、、。」
「おやすみ、アルヴァ。」
犠釖はアルヴァの頬を撫で、自分も眠りに就いた。
終わり