テラーノベル
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私達は双子で産まれた。兄が産まれ、次に私が産まれたあと、母は息を引き取ったらしい。体が弱かったわけでもないのに、あっさりと。
「不幸の片青眼」
私は、兄と違い片方だけ眼の色が違った。双子なのに、私だけ――。私のせいで、母は亡くなったのだと父に責められた。
言葉ではなく、態度で…………。
それを汲み取った、使用人達が言葉にしていたのだ。
私のこの眼は、不幸を呼ぶ…………。
魔法の才能があると、魔法の本を読みあさり私は必死に覚えた。
剣の練習の時は、下手くそながらも必死に頑張った。
父に認めてもらいたくて。
なのに、兄が私の上を行く。すべて、すべて!剣の腕も、魔法の才能も、私の上を……。
ああ、私は兄に勝てない。どんな努力をしたところで、父は兄しか見ていないのだ。
ーーー
何故このような話になったかは、忘れてしまったが……。
「私達、似ていますわね」
私達が仕える家のお嬢様、メリエル様。少し年上の彼女は、私に言った。
「どうすれば、私はマナエに勝てるのかしら…………」
儚げに、小さく洩らす呟きと紫の眼に溜まった涙が私の頭から離れなくなった。
ーーー
メリエル様の結婚相手、それは私達の主の主になるということ。それがこの国の第一王子、カトル殿下。
「リード、ルード。君達の優秀さは聞いている。国を守るために共に頑張ろう!」
メリエル様の最愛の人。
私の想い人は、この国の王の妃になる。
報われぬ想い。父にも、愛する人にも届かぬ、この心を殺し、主と国への忠誠心だと偽る。
何をしているのだろう。私は――。
殿下の兵としての一番はもちろん、兄が射止めた。
私は――。
剣では勝ち目がない。ならば、自分が出来る魔法を少しでも兄より磨かなくては。
メリエル様が、絶望しないように。
兄弟に勝つことが出来ないと思ってしまわぬように。貴女の為に私は、勝たなくてはいけない。
似ていると言ってくれたから。
……弱い自分が嫌になる。
ーーー
温かい水の流れを感じる。身体中をさらさらと巡り、目にたどり着く。目から水が溢れる。流れを止める堰も無く、水は止めどなく溢れ顔を伝っていく。
「ルードさん」
花月夜れん
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鴨之助
1,005
#塩レモン
comi
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710
誰かが、私の頭をぽんぽんと撫でてくれている。
手の温もりが水の流れを緩やかにしてくれた。
私は、父に、母に、こうしてほしかったのだ。認められたかったのだ。
そして、メリエル様の手の温もりを感じたかった――。もう、届かない彼女の――。
コメント
1件
うわあ、ルードの過去エピソード……重いね。双子で片方だけ瞳の色が違うせいで母親の死を責められるとか、辛すぎるわ。兄に勝てない悔しさと、似てるって言ってくれたメリエル様への想いが交差してて苦しい。最後の温かい手の感触でちょっと救われた気持ちになるんだけど、もう届かない彼女ってのが切なすぎるよ……。花月夜れんさん、ルードをこんなに深く掘り下げてくれてありがとうございます😭