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「はァ~満腹、満腹~」
「お前、食べ過ぎだろ。太るぞ?」
「太っても、星埜は俺のこと好きでいてくれる?」
「……」
猫なで声。冗談が本気か分からないそれに、俺は眉間に皺を寄せる。
まず、太った朔蒔が想像できなかった。
まあ、それは良いとして、出店を見てはあれ食べたい、これ食べたいいうので、かなり持ってきたはずの百円玉はもうすぐでつきそうになっていた。さすがに、これ以上は……と思っていたので、ここら辺で止ってくれるのはありがたかった。それは良いとしても、此奴の胃はどれだけ大きいんだっていう話と、好奇心の塊だなって改めて思った。
本当にどうやって、その腹筋を割ったのかとか、握力とか、持久力とか。俺は、警察になる為に、日々ランニングに励んでいる。ダンベルも家にあるし、ストレッチだって欠かさない。でも、多分俺の場合はそこまで筋肉がつきやすい身体じゃないんだろうなあ、とは思う。だから、羨ましいっていうのはあるんだが。
「星埜、ちょっときゅーけーしようぜ」
「休憩? ああ、まあ、いいけど。何処で?」
「そこら辺の茂み」
「ん?」
まあ、ついてこれば分かるって、と手を引かれてしまい、俺は、人気の無い林の中に連れ込まれた。そこはやけに静かで、人気は全くなく、少し行けば屋台だって、あの大通りだって見えるのに、人がいる気配なんてしなかった。それでも、耳には祭りの林だったり、人の声だったりが絶えず聞えてくる。
「こんな所に、ベンチなんて無いぞ?」
「別に、ベンチで休もうっていってないし。腹ごなしの運動って、とこ」
「はあ? さっきから、何言って……」
そこまで言って、俺はようやく理解した。
誰もいない静かな林の中、休憩、腹ごなしの運動。
此奴まさか――!?
「お、おい。俺は、外で……」
「星埜の、浴衣姿見て、興奮しないわけねェじゃん。責任取って♥」
「責任って、俺に何の罪もないだろ」
スルッと、帯を解かれて、着物の前がはだけた。そして、朔蒔の手が俺の胸元に触れる。
「おまっ……此処で?」
「うん。此処で」
「誰かに見られたら」
「大丈夫。見つかんねえよ」
星埜が、声出さなきゃな。なんて、ニヤリと笑うものだから、俺の背筋がゾクっとする。
そんなことされたら、俺……絶対我慢できなくて……
(いやいやいやいや)
俺が首を横に振ると、朔蒔は不思議そうな顔をして俺を見た。
俺は、朔蒔の手を振り払うと浴衣を直した。矢っ張り、頭が可笑しい。外で、それもこんなまわりに人がいて、よくやろうという気になるな。というか、脱がしたら、それはもう全裸だろ。いつもと変わらない。
いや、此奴のことだから、脱がすことにも興奮を覚えているのかも知れないが。
「や、やらない」
「星埜、今自分がどんなかっこしてるか分かってる?」
「浴衣、直した。もう、これで、終わりだ。変なことすんな、バカ」
俺がそういうと、朔蒔はため息をついた。
何だよ。その態度。お前が勝手に盛って、お前が勝手に始めたことだろ。何で俺が悪いみたいになってんだよ。
俺は何も悪くない。
「はァ、まあ、抵抗された方が燃えるし。組み敷いて、屈服させて、堕とさせる方が、楽しいからな♥」
「ひ……」
逃げようと方向転換すれば、すぐに、腕を引っ張られ、芝生に押し倒されてしまった。
「朔蒔、せめて、家に帰ってから」
「え~いいじゃん。ここで。星埜、そんなこと言って勃たせてるし?」
「んっ!」
股間を触られて、思わず声が出てしまった。
(最悪……)
俺は自分の口を塞ぐ。
確かに、少し、少しだけだが、俺の下半身は反応していた。浴衣を押し上げて、己を主張している。
好きな人と、二人っきりで、いつもと違ったシチュエーションで、服で……まあ、興奮しないわけはなくて。
(でも、何でもかんでも性欲に繋げるなよ!)
心から叫びたいことはそれだった。だが、朔蒔はそれを無視して、俺の足の間に割って入って、膝を俺の股間に押し付ける。ぐりぐりと動かされると、嫌でも快感を拾ってしまう。
「素直じゃん。つか、いつもより感じてる?」
「いうな、言葉にするな、殺すぞ」
「ありゃ、照れ隠し」
なんて、朔蒔はいいながら、開けた俺の浴衣の好きから見えた乳首に吸い付いた。舌で転がされて吸われて、時々甘噛みされる。それだけで、身体はビクビクと震えてしまう。
朔蒔は満足そうに微笑むと、今度は指先で弄り始める。摘ままれて引っ掻かれて、弾かれる。俺は、それに身体を大きく揺らしながら、喘いだ。
器用に、下の孔もグニグニと弄っては、指を増やし、差し入れしてくる。
「ふぁ、あ、あ……くぅ……」
「気持ちいい? 星埜」
「あァ……きもち、いい……でも下……の、欲しい、から」
「欲張り。素直な、星埜も勿論大好きだけど♥」
朔蒔は俺の身体を起こして、抱きしめた。そして、耳元で囁いた。
俺は、それに小さくうなずくと、朔蒔の首に手を回した。
すると、身体を持ち上げられて、朔蒔のが尻にあてがわれ、そのまま一気に突き上げられた。
「あああああっ!」
待ち望んでいた質量に、俺の口から大きな悲鳴が上がった。でも、それを気にしている余裕なんてなかった。
「はは、入れただけでイったの? 淫乱だなあ」
「ちがっ、ちがっ、う」
「いやいや、嘘通じねェから!」
ズンッと、奥まで突かれれば、俺はもう声を抑えることができなかった。パンッパチュパチュンと肉のぶつかり合う音に混じって、俺の声が響く。
気づかれたらどうしようとか、そんなのもう頭になくて、それでも、頭の何処かでは、ここが野外だってこと自覚していて、いつも以上に朔蒔のを感じてしまう。
「は、はげし……さくまき……もっとゆっくり……」
「無理。星埜の中が良すぎて腰止まんねェし♥」
「ん、ん……ああ、だめ、おく……んん、ん」
「星埜……星埜……出す、ぜ……受け止めて」
「あ、あ……なか……あつ……ぃ……んん」
ドクンドクンと中に出される感覚に、俺の身体は歓喜する。そして、俺もまた射精してしまった。
「はー、良かった♥」
「ばか……外でとか……もう、やらね」
とか口で言いつつも、いつも以上に興奮していたのは確かだった。