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数年前
「今回は人気子役のなつくんにきてもらってまーす」
人気番組でゲストに出されたのは
人気子役の暇 那津
とあるドラマで少しだけのセリフ
それが初めての出演だった
本人はこれだけでは認知もされないと思ってた
だけど、その一瞬の不気味な演技と綺麗で美しい不適な笑みで沢山の人を魅了させた
それから沢山の作品に出演し大人気の子役へとなった
「こんにちはー、なつです!」ニコッ
なつが笑顔で挨拶をする
「かわいーーー!」
愛しい笑顔で会場を盛り上げる
天使か何かと思われているのだろうか
彼がその場に居るだけで
彼だけが主役へとなる
♪〜〜〜〜
スマホが自動で音楽を流す
アラームのようだ
ロック画面が開き若い少年の写真であった
「……ん?…あっやべっソファーで寝てた」
彼の部屋はとても広く部屋に大きなソファーがあっても狭くはない
アラームを止めてメガネをかける
椅子に座り、パソコンをいじり
一つのサイトを開く
予想をしていたかのように小さなため息をつく
このサイトは毎日確認しているのだ
そのサイトにはこうかかれていた
元人気子役だった暇那津
今じゃ名を出されないほどの
どん底に落ちた者!
「…どん底に落ちて悪かったな」
少し涙目になる
彼にとって“元”人気子役だったことは
辛く悲しい事だった
サイトのコメントには
『誰これ?』『あぁ忘れてたわw』
『あのイキってた奴だw』『分からされてざまぁw』
などの辛辣なコメントばかりだ
「……イキってないしっ」ポロポロ
とうとう泣いてしまう
これが彼にとって毎日のことだ
見なきゃいいのにと思うが
このコメントに少し優しいコメントがあるかもしれないそう思って
毎日毎日見続けているのだ
ふと彼の目に一つのコメントが入る
『俺はこの人の演技好きだった。また帰ってきて素敵な輝く演技をして欲しい』と
「……」カチッ
そのコメントの返信を見ると
沢山の人が同意していた
「…帰ってきて欲しい……か」
悲しく呟いた
パソコンを閉じて、
大きなクローゼットを開ける
沢山の服の中から1着の制服をとり
ワイシャツを来て
ズボンも履いてベルトをして
ネクタイをする
少しだけ立ち鏡を見るそこに映る自分の顔は
見えなかった
見えるのに何も見えなかった
スケルトン階段を降りて
リビングに行く
リビングには誰もいない
大きた窓にカーテンがついていて
窓が空いているからカーテンがゆらゆらと
揺れている
「…ご飯作るか」
冷蔵庫を開け、中身を確認する
「はぁ…お弁当だけ作るか…パンあるし」
器用に料理し、お弁当を準備する
食パンに赤いジャムをのせ、それを広げる
これも丁寧にやって綺麗に出来上がる
「我ながら上出来…」
朝食を食べおわり
洗面台へと足を運ばせた
スッ…ぱっ…
「よし…」
コンタクトを入れるのに時間などかからない
ぱっぱと用意してスクールバックを持ち
家を出ようとする
突然ピタリと止まる
2階に走って行く
「忘れてた…」
72のヘアピンをつけて
行ってきます
プロフィール
夢学園
暇 那津(イトマ・ナツ)
15歳
好きな食べ物
クレープ
好きなもの・こと
絵を描く事、演技、歌う事
嫌いなもの・こと
“元々”の自分