〜白髪少女の恋愛事情〜
家に帰る頃には少し暗くなり始めていた。
もう暗くなってきちゃったな…。というか、色々疲れ過ぎて家の安心感が半端ない。
あの人達結局何だったんだろう
「初伊ーーーーーー!!!」
「お姉ちゃん?!」
玄関から聞こえる叫び声は紛れもなく私の姉。桜井未音(さくらいみおん)だ。
「今日早いかったね!」
「由依から聞いたわよ!!何もなかった?大丈夫だった?」
「あー…うん何も無かったよ!」
さっき合ったことは…うん、言わないで置こう。お姉ちゃんは怒ると超が付くほど怖い。怒ってる時のお姉ちゃんにはお兄ちゃんも勝てないほどだ
「初伊!!!」
「お兄ちゃん?!」
「あら、随分結音早いじゃない」
結音とは桜井結音(さくらいゆおん)の事で私のお兄ちゃんだ。
「初伊!!東弥に会ったらしいじゃないか!!大丈夫だったか?!」
「お兄ちゃ…」
「ちょっと、どういう事?説明して頂戴?」
私は観念してお姉ちゃんに今日のことを話した
「なるほどね……バカ弟、噂が落ち着くまで放課後西に初伊を置いといてくれない?」
「あぁ…………」
そんなこんなで私は明日から放課後西校に行くことになってしまった。
side 未音
初伊が部屋に戻り、私はバカ弟の元へ行く。
「ねぇ、バカ弟、さっきの様子だと何か言う事があるようだったけど」
「…良くわかったな、…西にヤバイ女が居るんだ」
結音の話ではその女は現西校の姫で溜り場に自分の以外の女が居ると虐めたりと、とにかく酷い扱いをするそうで。
「初伊にそんな事あったら許さないわよ。可愛い可愛い初伊に傷一つ付けさせないでよ?はいかYESで」
「はい…それに佑兎も居る…大丈夫だ」
「……はぁ、分った宜しく」
私の可愛い可愛い妹は、とっても悪運で面倒事に巻き込まれやすいから…姉の私が守ってあげないとね。
side未音終
今日はなんだか一日が早い気がする…学校が終わり、立ち上がっろうとした時。
「キャァァァァ」
女子の叫び声…と、言うより、歓声のほうがあってるかも知れない
「なに?!あのイケメン?!?」
「ヤバイ、美少年過ぎる…」
私はもしや、と思い窓の方を見ると…やっぱりか…
「お兄ちゃん…」
お兄ちゃんは顔面が強すぎて、とっても目立つのだ…昔から、騒がれすぎてうざい、とも本人が言っていた程だ。しかも…
「初伊ーーーー!!!!」
そう、こっちに向かって私の名前を叫んでいるのだ。
「えっ?、もしかして、桜井さんの彼氏?」
「いやぁぁぁぁぁ」
などと、悪目立ちし始めた…女の子の友達由依ちゃんしか居ないから女の子の友達欲しいのに!!
「お兄ちゃん!!」
女子の反感を買いたい訳ではないので私は叫ぶ事にした。
無事お兄ちゃんと合流し、私はさっきの文句を言いながら西に向かって歩き始めた。
「もう!お兄ちゃん、叫ぶのやめてって、いつも言ってるでしょ?!女の子の友達出来なくなるでしょ?!?」
「?なんで友達が出来なくなるんだ?」
天然に何言っても駄目だ…と、考えながら歩いていたらもう目的地に付いたらしい。
西校でも、私が願うのはただ一つ。今日は嵐が来ませんように!!それだけだ。
続く
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