テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
紫色に光る照明鬱陶しいくらい目に悪い
せめて緑色にしろよ。
なんて馬鹿なことを考えながら
ホストクラブの受付で座って待つ
ここの従業員まぁいわゆる黒服?とやらに
なってから5年目
もうね…イケメンも見飽きてんだよ
お酒作ってシャンパンタワーとやらを積んで
そこにワインどばどばーって…
小学生の工作かよ
そう思いながらぼーっと店の入り口出口を見ていると
とんとんっと肩を叩かれる
「吉田さん…大丈夫?」
同僚のだいちが少し頬を赤ながら話しかけてくる
…こいつ飲まされたな
大丈夫?っていやそれはこっちのセリフって話
「それよりお前飲まされたな?」
「へ?」
ほら指摘した瞬間目を逸らす
いっつも飲むなっつってんのに
こいつは大の酒好きなため
お客さんからお酒を飲んでとか意味わからん要求された時は
ガブガブ飲む
もう実質ホストみたいなもんだ
飲むのは別にいいけど飲み過ぎで
吐くのはマジで勘弁して欲しい
他の黒服さんたちのあの目よ
『なにやってんだよ』って目よ
もう俺が結局掃除するんだからさ
「いやぁ?」
腑抜けた高い声で誤魔化そうとする
嘘が下手くそだなこいつ
まぁいいや
「今日のナンバーワンは?」
「あーじゅうぞうやな」
「その呼び名で呼ぶのやめろ。」
うちの店のナンバーワンホストは
やっぱり柔太朗だった
もう聞かずともわかる
数年前うちの店に来て以来
大繁盛しているうちの店
まぁ嬉しいんだけど
あいつお酒マッジで弱いからすぐ二日酔いとかなっちゃうから
定期的に休むんだよな
それが痛手だけど
他にも売れてるホストはいる
柔太朗は休みすぎて
眠り姫とかつけられてたな
いや姫は貴方達でしょって言いかけてやめといた
ここのやつらは
あだ名をつけるのがよっぽど
お好きなようでね…困るわもう
毎日更新されるんだからさ
俺の知らないあだ名で呼ばれると
誰呼んでんの?っていちいち聞かないとだからさぁ…
「じゅうぞーう?」
姫様の声が店内に響く
あの人もあのあだ名で呼んでんの?
ここに来る姫様は皆面白い人ばかりだ
バカみたいに酒に強い姫様や
一発ギャグをウケるまでやり続ける姫様
話すことが意味わかんない多分AB型の姫様
ここの店にいてよかったなって思える日々
案外ここの生活もいいもんだな
俺もホストになればあの輪に入れるのかな
なんて考えながら
だいちの頬を手で冷やしていると
外からでかい声が聞こえる
向こうは防音なので聞こえておらず
俺とだいちだけに聞こえる声
「俺行ってくるわ」
ここは治安が悪いためよく暴力事件などが頻繁に起こる
その度に警察を呼ぶのでもうほぼ顔馴染みみたいなもんだ
また舜太にお世話になるかもだな…
急いで店の外に出ると
うちの店の壁に力なく寄りかかってる人と
財布を確認してる男2人がいた
…カツアゲか
中学生かよやること
バカばっかで困るけどまぁたまには
ハメ外すか
静かに歩み寄ると
俺に気づいた男の1人が
笑いながら
「なんすかぁ笑?」
腹立たしい顔と声
こいつは幸先苦労して生きて欲しい
恋人もどうせいねぇんだろうな
「何してるんですか?」
「あぁこいつがぶつかってきたんでぇ笑?なぁ?」
「はぁい笑なんでいしゃりょーもらってます」
全部ひらがなで
こいつらの地元の民度と頭の悪さが喋るだけでわかる
「お前ら地元どこ?」
「は?笑、何、?やろうってんの?」
質問にこうやって答えないのも
あったま悪いなぁこいつ
何回話せばわかるんだよ
イラつくわ
俺はとりあえず男の1人の膝目掛けて
本気のキックをかましておいた
うずくまって膝を抑える
多分明日これあおじみコースだな
「地元…どこ?」
うずくまってる男の髪の毛を掴んで顔を上げさせる
こんな乱暴なこと俺やりたくないんだけどさ
男はまだ余裕があるようで
奥のもう1人の男がキラッと光るものを出してくる
あー、ナイフ?
俺は前髪を離して背中に足を踏みつけると
人からしちゃいけない音がする
つかこいつ全然地元吐かねーじゃん。
まぁいいや、
「お前らさ、楽しいわけ?」
「なにが?」
わかってないんだな
「人から金取るの」
「あぁ!たのしいさ笑!」
「そうか」
男性をチラッとみると意識が朦朧としている
ナイフを持ってるのもあって
もしかしたらその刃があの男性に向けられるかもしれない
俺は素直に呼ぶことにした
倒れてるこいつは…まぁ何とか言い訳しよう
スマホを取り出し
電話をかける
「あ、もしもし?あ、そうそう、来て」
そうとだけ言った後切る
男は「?」みたいな顔してる
その顔してられんのも後数秒だな
なんせここから交番まで…1分もかからないんだから
「おい?どうした?さっきまでの威勢は?」
ナイフを俺に向けてくる
…もうやっちまおうか?
顔を上げて男の目を見つめる
その時あいつの手からナイフが落ちる
その瞬間俺はあいつの元へ全力で走る
ギリギリナイフを取れた
すぐ横を向けばもう意識がない男性
…相当殴ったんだなこいつら
「立場逆転かな笑?」
笑って見せる
あいつならこのうざい挑発に乗るだろう
なんせバカなんだから
野郎が俺に殴りかかろうとした
その時だった
「はーい正義のおまわりさん登場です!」
舜太が来てくれた
男は顔色を変えて逃げようとする
あ、これ顔馴染みパターンか
あいつ一回目じゃないだろうなとは思ってたけど
まさか前と同じお巡りさん呼ばれるとは思ってなかったんだろうな
やっぱバカだな
交番の場所も理解してねぇし覚えてない…
そのまま取り押さえられる男
舜太の他にもお巡りさんが来てくれた
適当に挨拶をする
すると舜太が
「仁ちゃん、あの人は何で倒れてるん?」
何も疑ってない目で俺に話しかける
こいつは俺が
治安悪い地元にいたことも何も知らないから
疑うわけがないんだよなぁ
俺がぶん殴ったなんて言ったら
いくら舜太でも見逃してくれないだろうし
俺はおっとり優しそうな人を演じている
慣れてるしこんなん
仮面被るのだけは無駄に上手くなったな、
「あーなんか最初から倒れてた、」
その後は特に何事もなく
カツアゲのことも全部赤裸々に話した
男性の安全のためうちの店に入れてあげることにした
財布もお金も全部無事だ
あいつらは去り際俺を睨んできたが
睨み返すと
ひえっと言いたげな瞳が俺を捉えていた
怖がるなら最初からやるなよ。
舜太と別れた後
男性をひょいっとお姫様抱っこで抱き抱える
姫様で訓練されてますからね…
店の中に入るとだいちが
今にも泣きそうな顔で俺を見つめる
こういうことは3回ほど起きてる
まぁカツアゲは今回初めてだったけど
ナイフ持ってたのもね
外から見てたんだろうな
怖かったんだろうな
「救急箱持ってきて?」
安心をさせるために声をかける
だいちは頷いて
店の裏へ急いだ
とりあえずソファに寝かせる
…つかさ
この人すっごいイケメンだな
さっきは俯いてたからわかんなかったけど
鼻も目も開いてないけど綺麗だった
イケメン見飽きてるとは言ったけど
この人とはなんだか違う感じがした
しばらく顔を眺めていると
だいちが救急箱を持ってきてくれた
そのまま治療する
足と手に見るに耐えない傷
跡、結構残りそうだな
起きたら病院行くこと勧めるか…
治療が終わり包帯やらなんやらを救急箱に直す
俺はちょっとばかりハメを外しすぎたせいか服が乱れていたので
トイレに行きネクタイをきゅっと整えて
髪もセットし直す
久々に暴れ回った体を適当にほぐす
あの傷だもんな、目が覚めるのには結構時間かかりそうだよなー
あのイケメンさん
はやめに、目、覚めるといいけど…
ちょっと荒い吉田さんが好きなもので…
次回は月曜日の夜に投稿します。
それではまた。
#ご本人様とは一切関係ありません
キキ
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コメント
1件
第1話読み終えたよ〜!🫶💖 吉田さん、イケメン見飽きたって言いながら乱闘強すぎて草😂✨ 黒服5年目のツッコミとだいちとのコンビがほっこりするし、最後の意識ないイケメンへの「何か違う感じ」発言が気になりすぎる…!! 次回どうなるの待ちきれないよ〜!!🏃♂️🔥