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というか今日来る予定の新人くん来ないな…
もしかしてなんかあったのか?
あとで電話かけるか…
あーなんか今日いつにも増して忙しいなぁ、
身支度はある程度整ったので
トイレから戻ると男性は起き上がって
キョロキョロと周りを見渡している
あぁ、ここに慣れてない人なんだな。
俺は笑顔を作り男性に駆け寄る
「大丈夫ですか?」
「あ、え、はい、。ここって?」
「あぁ、貴方がカツアゲされてたんで、警察呼んで、一旦うちの店で傷の手当てしてたんですけど…」
「え、ありがとうございます!」
笑顔になって俺に笑いかける男性
俺より綺麗な笑顔に
なぜか心をギュッと縛られるような
そんな感じがした
「いえいえ、笑」
「あ、あの!お名前教えてもらえませんか?」
かしこまって聞いてくる
名前…くらいはいいか
教えてもためになんないのにな
お礼とかいらないのに
「吉田仁人です」
そう言いながら笑いかける
そうすると男性はさっきよりもニッコニコの笑顔で
「吉田さん…俺佐野勇斗って言います!」
なぜか自己紹介してきた
ここで働くわけじゃあるまいし
それにもう縁だってないでしょうに
まぁいいか、名前知りたかったは
…たかったし?
またどこかで会えたらな、なんて初対面の人に思ってしまっている
俺が恋愛なんてしちゃいけないのに。
「ここで働く新人なんすけど…」
「え?!」
思わず大きな声が出てしまう
新人くん遅いなと思ってたらまさかの…?
この人だったんだ
てかゆうとじゃなくて“はやと”なんだ…
危なかった
名前間違えたまま覚えるとこだった
新人くん…えぇホストになれるけど
ナンバーワン狙えるよこの子なら
んまぁ、とりあえず着替えさせるか?
いやでもこの傷だし流石に…
と躊躇していると
「俺働けるんで!大丈夫っす!!!」
と怪我人とは思えないほどの元気な声と笑顔
まぁ動けるには動けるって本人は言ってるし、
ちょっと申し訳ないけど
慣れてもらわなきゃだし働いてもらおうかな
「今日からですよね?」
「はい!」
「わかりました、じゃあもう敬語はよしましょうかね」
「うっす!」
飲み込みが早くて助かるけど
この人仕事覚えられるかな?
思った以上に仕事多いし
俺は確かこの仕事覚えるのに3ヶ月はかかったもんな…
まぁ俺がつきっきりで教えてやればいいか
「ついてきて」
そういうとあの痛々しい傷があるとは思えないほどキリッと素早く立ち上がり
なぜかルンルンで歩き出す。
なんだか変な新人くんがきちゃったな…
裏へ入り、新人特注のサイズの黒服を渡す
これが届いた時でかいなぁ、こんなガタイのいい人来るんだなって思ってたけど
サイズあって…そうだもんな、
佐野は目をキラキラさせて黒服を見つめている
“これ着ていいんすか?!”
と瞳からでも伝わる
マジで大型犬すぎて手に負えんこの子…
「あっちの部屋で着替えておいで」
裏から出て向こうの部屋を指差す
ありがとう!と言ってそのまま奥へと入る
俺はその間に別の仕事をしなきゃな
グラスを洗って乾かし
お酒の発注も済ませる
5年もやってんだ、シゴできなのは当たり前
だいちはただ突っ立ってることが多いが
ちゃんと仕事はする
俺がやりたくてやってるだけ
とりあえず一息ついて受付の椅子に溶けるように座る
この椅子マジで座り心地いい…寝ちまいそう
上を向いて寝たいけど照明がうざいんだよな
まぁねちゃダメだしまず、
今日あいつ来ないといいけどなぁ…
とか考えながら癪に触る照明を見つめていると
また肩を叩かれる
振り向くとだいちが何か伝えに来てくれたようだった
「仁人?新人さん着方わかんないって」
「お前が教えろよ」
「いや仁人さんって言ってるし?」
前言撤回
こいつ役立たずだわ
仕事やるけど押し付けてきてるよね?
いいよやるけど…
確かに遅いなとは思ってたけど
呼ばれるのは聞いてないって
重たい体を起こして奥の部屋へ向かう
ドアを開けると
「っ?!?!?」
上裸の佐野がいた
慌ててドアを閉めようとするが
手で塞がれ
引き摺り込まれる
狭い部屋に案内した俺がバカだった本当に
どこ見ても佐野の肌色が目に映って
心臓がうるさくて仕方ない
とりあえず佐野の方を肌色を
なるべく見ないようにして向くと
「…どうやって着れば…?」
すんません、みたいな感じで聞いてくる
初めてなんだから仕方ないよな
俺は無言で駆け寄る
けど上裸はどうにかして欲しいので
シャツを渡す
無言で着る
…にしてもこんな筋肉ついてるのに
あの雑魚どもに勝てなかったのか?
でも気にするほどでもないか…
シャツを着させた後ネクタイを取り出しつける
同時につけ方も教えてあげた
飲み込みが早くすぐに1人でできるようになっていた
最後にこの上のタキシード的なやつ?
俺もよくわかってないけどこれを着せたら完成だ
少し遠目から見てみると
…かなり似合っている
俺よりも全然
てかマジでホストになれるレベルだ
黒服ホスト…いい響きだと思うけど
彼は新人で応募してきてるので
まぁそれは叶わないでしょう。
「どう?」
「似合ってる。」
「そうすか…」
言葉じゃ冷たいくせに表情がゆるゆるだ
…マジで犬かよこいつかわいいな、
少し照れているのか雑に髪をわしゃわしゃしている
誤魔化し方も犬みたいで可愛い
…って何、男相手に可愛いとか思ってんだよ
しかも…俺より年上だったっけ?
あんまし覚えてないけど、
なんかむずむずするし聞いちゃえばいいか今
「佐野くんっていまいくつなの?」
「28っすね!」
あー俺の2個上か
…敬語使わなくていいよって言ったけど
それ言われるのは普通俺なんだよなあ
佐野は「?」と首を傾げている
「聞いただけ、さ!仕事に取り掛かろう」
その後は仕事を佐野に教えて
徐々に慣れていってもらおうと思っていたが、、
仕事の覚えがありえないほど早い佐野くんは
せっせとシゴデキの俺より動いていた
本当に新人?とだいちもびっくりしていた
…俺が1番不思議だよ!!!
ちょっと体力ありすぎじゃない?
絶対運動神経いいじゃんか…
しかも俺と違って怪我してるって言う
ペナルティがあるのにも関わらずね???
恐ろしいよここまでくると…
俺はやることもなくただ休憩室でコーヒーを嗜むだけ
いや仕事したいんだけど…
まぁいいかいつも俺ばっかだったし?
たまにはゆっくりすんのもありか
と思ってた矢先に
「…吉田くんいるんでしょ?」
嫌な声が聞きたくもない声がドアの前からする
コーヒーの匂いでいることがバレたのだろう
今ドアの前に立ってるやつは
俺のストーカーだ
しかも男な?
数ヶ月前から仕事場特定されてからこれ
月一でくるようになった
何を思ってこんなガキを好いたのかしんねぇけど
邪魔なんだよな…いっそのこと、なんて考えたこともあるほど
いつもは無視するが
今日は佐野もいるし、だいちもいる
こいつが来る時は大体
だいちや山中がいない時に来る。
何の気遣いか知らないけど
もうその気遣い?はしてくれないようだ
俺は静かに立ち上がって
ドアの前まで歩いて止まる
、要件ぐらいは聞いてやるか
「なに?」
答えると嬉しそうに鼻息を荒くする
きもちわりぃ…
今すぐドアをぶっ壊して
ストーカーごと潰してやりたいところだが
まぁちょっとは待ってやる…
前のできる偉い人間なんでねー
店の中だし、大人しくしてないと
俺が怒られる…
「お、俺と付き合って欲しい」
「無理」
即答だろこんなん
いや無理だろキツすぎる
いくら金積まれてもやりたくないねこんなこと
顔も見たことないし誰かも知らない
相手と付き合えって?んな馬鹿げたことしたくないね俺は
すると機嫌が悪くなったのかドアを蹴る
鍵閉めといてよかった
んでこいつ多分ナイフ持ってるよなー、
そりゃそう、いっつも持ち歩いてたし
帰ってる時、後ろからこのストーカー野郎につけられてる時があるのだが
その時にキラッと反射するナイフの形をしたものが
ストーカー野郎のポケットからはみ出ていた
この前気づいたばっかだけど、
愚かな人間だな
俺は鍵を開けてドアを開ける
奴の顔が見える前に蹴り飛ばす
もちろん腹目掛けてな?
案の定あいつはナイフを所持していた
ナイフ案件2件目あざーっす
手踏みつけてやってもいいけど
それだと他害ってことバレるからな
まぁぶっ飛ばしたのもアレだけど
防音でよかった
俺は壁に頭をぶつけて気絶してるきめぇストーカーの握っていたナイフを足で蹴る
危ないからね
触りたくないから蹴っちゃったけど
宙に飛んだかと思えばゴミ箱にナイスショット
今日は運がいいんだから悪いんだか?
さぁてこいつどうするか…
まぁ警察に通報案件だなぁ
2回も連続ってお巡りさんも大変だな
だーる…連絡すんのはいいんだけど
聞かれるのがねー、
まぁいいか
でもなんで本当こんな面倒ごとに
俺ばっかあうんだよ。
1話、100♡ありがとうございます。
思ってた数倍ははやくてびっくりしました
本当にありがとうございます。
次回は木曜日に投稿します。
どこかで短い物語を投稿するのでそちらもよければ読んでってください。
それではまた。
あじさい。
146
#塩レモン
comi
1,939
ゆきむら
2,033
コメント
1件
あじさい。さん、第2話読みました!めっちゃ良かったです🔥 佐野くんの大型犬っぷりと仁人さんの「可愛い…って何考えてんだ俺」みたいな内心のツッコミが最高で、2人の距離が縮まる感じにドキドキしました。 ラストのストーカー処理も「防音でよかった」ってクールに蹴り飛ばす仁人さんカッコよかったし、なのに最後の「なんで俺ばっか」でちょっと切なくて…続き気になりすぎます! 1話100♡おめでとうございます、次話も楽しみにしてます!