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#mmdt
ろず
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⚠️BL要素あり、年齢操作、ピアス捏造
以上が許せる方のみご覧下さい。
※学パロです
みんな留守にしてるからと上げてもらった涼太の家は確かに静かで、部屋に二人でいるとこの世界に二人きりでいるような錯覚すら覚えるほどだった。部屋は綺麗に整頓されているけど、机上のペン立てに収納された筆記用具やベッドの足元に置かれた通学カバンが親しみやすい生活感を演出している。
お客様を床に座らせられないと言った涼太が許してくれたため俺は今涼太が普段寝ているベッドの端に座らせてもらっているわけなのだが、当然のことながら落ち着かない。だって好きな人の部屋に入れてもらっただけでは飽き足らずベッドの上だよ?緊張しないなんて無理な話。正直もっとキョロキョロしてみたいけど挙動不審になるのもカッコ悪いから、先ほどバラエティショップで買ったピアッサーをなんとなく手の中で弄んだ。
「そんな緊張する?」
「え!?」
「初ピアス」
「あぁ…まぁそれなりに緊張してるよ」
消毒液を取りに一度リビングに行っていた涼太が戻ってきて早々そんなことを聞くから、俺は一瞬彼の部屋に対してソワソワしているのがバレたのかと思ったが、どうやらピアスに緊張していると勘違いしてくれたようでなんとか誤魔化せた。
いよいよその時が来たようで涼太は俺の隣に腰掛ける。
「じゃあ、早速消毒するよ」
「よろしくお願いします!」
「左でよかったよね?」
「うん!」
どこにピアスを開けるかは迷わなかった。涼太と同じ、左耳に一つ。銀色のピアスの片耳用ピアッサーを売り場で見つけてこれしかないと思った。お揃いだと勘違いされるかもしれないけど、その方が俺には都合がいいから気づかないふりをした。あわよくば、翔太の嫉妬する顔を見れればいいとすら思ってしまった。翔太が俺に負けるはずないのにな。
少しでも涼太が作業しやすいようにと思って頭を少しだけ涼太の方に傾けると、涼太が腕を伸ばして俺の耳に指先で触れた。
その瞬間、俺は呼吸の仕方を忘れてしまいそうだった。
普段は自分からスキンシップを取りに行くのに、いざ立場が変わるとこんなにも普通でいられなくなるんだ。どこか冷静な自分が脳の端っこでそんな分析をしていた。
代謝が良いからか涼太の手は温かかった。消毒液を染み込ませたコットンでピアス開通予定地を優しく拭う涼太の顔は真剣そのもので、正直に言うと何時間でも見てられる。
「佐久間、動かないでね」
「あい」
「痛かったらごめん」
「涼太が謝ることじゃないでしょ!」
「なんとなく、ね」
「ふふっ…」
「…怖い?」
俺の笑い声に覇気がなかったようで、涼太に顔を覗き込まれる。
「…ちょっとだけ」
また嘘をついた。
本当は別に怖くない。涼太に開けてもらえるのなら、怖くもなんともない。
ただ、俺は願ってしまったんだ。この時間が永遠になることを。
当然ながら涼太にピアスを開けてもらってしばらくしたら俺は自分の家に帰らなければならない。またいつもの友達に戻って両片想いの二人を応援する役目に戻らなければならない。二人が笑い合う場面を、笑顔で見届けなければならない。
それが俺には酷く窮屈に思えた。
「大丈夫。すぐ終わるよ」
本来は穏やかな気遣いの言葉であるはずのそのセリフが、今の俺には拒絶の言葉にすら感じられた。
…終わらせないでって言ったら、涼太は困るんだろうなぁ。
「…大丈夫」
そう呟いた俺は自分の薄暗い感情を隠すように目を閉じた。
カシャンという音と共に俺の耳たぶを貫いたピアッサーは、想像していたよりも痛みを伴わずにピアスを置いていった。
「はい、終わり」
「え、もう?」
「痛かった?」
「いや、なんかちょっとジーンってするくらい」
あまりの呆気なさに少し拍子抜けしてしまう。全然痛くないじゃん。まあ別に痛いのがよかったわけではないけど、痛い方がより鮮烈に記憶に残るかななんて。
「うん、良い感じ。似合ってるよ」
その言葉に胸がじんわりと暖かくなった。
涼太が触れてくれた場所に小さな穴が開いた。それだけのことが俺にとっては何よりも特別だった。
鏡を持って自分でも確かめる。涼太と同じ銀色のピアス。まあ俺のはピアッサーのものだから探せば同じピアスの人なんてゴロゴロいるんだろうけど、今の俺には“涼太と同じ“という事実が何よりも大切だからそれ以外のことは眼中になかった。
「……へへ」
「ふっ、満足げだね」
「そりゃそうでしょ!だって涼太が開けてくれたんだもん!」
言葉にしてしまった瞬間に一瞬肝が冷えたが、鈍感な彼のことだ。きっと気づいてなどくれない。気づいてくれていたなら、俺はこんなに苦しんだりしていないのだから。
「そんなに嬉しかった?もっと早く言ってくれればよかったのに」
どっちの意味なのだろう。ピアスか、この恋心か。
「………えへへっ、ビビっちゃって」
わからないから、どっちとも取れる返事をした。