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#創作
ひがき
64
26
みるきー
190
朝6時。うっすらと外は晴れていた。私達は、この旅のユニフォームに着替え身支度を整えた。
大きな荷物を背に、眼を擦りながら廊下を歩く。
フロントに鍵を返して、自販機で水を買う。
その間、雪はバイクの点検をしている。バイクこまめな点検が大事らしい。
「準備できた?」
『いつでも。』
雪は黒色の革手袋を手にはめて、そう返した。
互いのエンジンのかかる音がする。
私が先に駐車場に出た。
全く同じ色で全く違う大きさの2台。まるで親子のように縦に並んで走る。
「気分は?」
『快調ーー。』
「ならよかった。」
『今回はどこまで行きますか?』
「下田までいっちゃいましょーーー。」
軽快な会話がインカムを通じて交わされる。
国道1号線を南下していく。元箱根を通り芦ノ湖を横目に、二人で快調なエンジンを回す。
箱根で一度止めて、写真を撮る。
そのままうねる東海道、国道1号を南下して、静岡に入る。
「ちょっとトイレよらせて。」
私はウィンカーを点滅させて箱根エコパーキングに入った。それに続いて雪も。
『んぐぅっ、、、』
雪は私を待つ間体を伸ばす。朝のこの高原の涼しさを感じながら。
「よし、行こっか。」
私はハンカチで手を拭きながらのそのそと歩いて、雪にそう言った。
再び2台にエンジンがかかる。
『少し寄ってみたい所がある。』
私は雪を先に行かせて 、その後を付いて行く。
すると、旧東海道に入り直ぐ右の駐車場に入った。
三島スカイウォーク。
400mの南北に伸びるこの細長い橋は、私達にさぞ絶景を見せてくれる事だろうと思った。が
『ちょっ、、千夏まって!、、、』
雪はしっかりと手すりを掴んで、足に力を入れている。生まれたての子鹿のようなみっともない大勢で立つ。
「雪が寄ろうって言ったんじゃん。」
私わ微笑んでその様子を眺める。全く趣味の悪いと思うが、この光景を見ておもしろいと言えば、嘘でしか無い。
私は先を行き、立ち止まる。ゆっくりと雪がそれを追いかける。時折富士を眺めて、この絶景を嗜む。
「戻りも有るぞ。」
雪はハンターカブにまかがって、水を飲む。大きな息を漏らしてぐったりと体重をカブに預ける。
互いに顔を見合って、微かに微笑んだ。
『いい目覚めになった。』
ここからは、邂逅の多い道のりになるだろう。人含め環境その他も、それこそ旅の楽しみになる。極力高速は使いたくは無い。下道を使い、しっかりと土地を巡る。この旅の、モットーとしよう。
私たちは国道1号線に戻り、また走り出す。
コメント
1件
いやあ、いい朝の空気感が伝わってきたわ……。2台のバイクで並走する風景、めっちゃ絵になるね。それに雪が高所恐怖症なのにスカイウォークに誘っておいてビビってるギャップ、そこ好き。千夏が「戻りも有るぞ」って笑ってるのもクスッときた。旅のモットー「下道でしっかり土地を巡る」、この二人のペースでゆったり進む感じが心地いいエピソードだったよ🔥